新省エネ基準がスタートしました。

地域ごとに基準が設けられ、新築の場合は建築確認の段階で

適合しているかどうか重要になりました。

建築士、設計者からの説明も義務化されました。

正しく住宅の燃費を知ることができるようになってきました。

 

現在の基準は、今までの基準と比較すると厳しくなりました。

厳しくなる=省エネになる、ということです。

単板ガラスでも開口部の大きさによっては、達成できる場合もあります。

しかし、窓が最も省エネの数値改善には影響しますので、ペアガラス以上の

性能は必要です。

 

窓以外は、基本的に現在の建材であれば平均的な材料で達成できます。

基準ギリギリでいい、わけではありません。

低いほど望ましい、となります。

 

ここからは価格との関係になります。

基準をクリアすること自体は、難しくありません。

高性能材料を使い、開口部を減らせば誰でもクリアできます。

そのかわり、価格が上がってきます。

 

建材や材料費だけではなく、気密性の向上も加わるので、仕事量・作業量が

増えます。人件費が上がります。

手間と費用のバランスを検討しないといけません。

 

新築の場合、Ua値の計算はしやすいと思います。

理由は、使う材料や仕様書を容易に知ることができるから、です。

今の建材であれば、熱貫流率が記載されています。

開口部の面積も簡単に知ることができます。

そうすると、地味な算数を連続するだけの作業です。

小学生でも計算可能と思います。

 

既存住宅の場合、当時の建材の熱貫流率を知ることから始めないといけません。

面倒なので外注しようと依頼しましたが、ごちゃごちゃ言う割にはできませんでした。

だったらHPに記載するな、と頭にきました。

そこで、自分で計算することにしました。

地味な算数をしないといけません。

面倒でしたが、正確ではないかもしれませんが、おおきくズレない程度までは

調べ、計算しました。

結果は、Ua値0.76でした。

0.87が基準の地域に存在しますので、クリアしています。

ですが、ZEH基準の0.6には到達していませんでした。

当然です。新築時の基準の「後に」ZEH基準が作られたから、です。

そのZEH基準が改正され、今のUa値基準になりました。

 

やや安心材料だったのは、とりあえず現在の最低基準はクリアしている、という

点です。あとは、改良すればよいからです。

 

メンテナンスの時期と合っていたことも幸いです。

コーキングが劣化してきたので、何らかの補修作業が必要でした。

当時の性能を維持するだけ、であれば簡単です。

そうではなく、新築時から性能を「上げよう」とすると、何を基準に行う

べきかが大切になってきます。

 

そこに今回の新省エネ基準が施行されました。

これ以上目安にできる指標は無いと思います。

どのレベルまで上げようかと、悩みました。

正しくは、今も悩んでいます。

 

見た目も重要です。

どうせ改修工事をするなら、今までと大きく変えることも可能です。

今回は、重量面から強制的に建材が限られてきます。

その建材の特徴を活かして行います。

 

カバー工法なので、廃材がほとんど出ません。

廃材になるのは、窓ガラスのみです。

単板ガラスを、防犯ガラスに入れ替えます。

そのため、このガラスのみ廃棄することになります。

 

熱貫通率を把握して計算していくと、改修工事後は相当に良くなることが

予想されます。特に窓です。

二重窓化のメリットが大きいです。

デメリットは開閉の手間と価格ですが、それ以上にメリットが多くあります。

 

外窓:防犯ガラス、内窓:ペアガラス、にします。

ただの内窓でも十分な断熱と遮音効果があります。

それを災害に備えた防災性能と、断熱性、遮音性を向上させます。

 

省エネしか考えない場合、窓は1つでガラスを遮熱タイプか3枚、5枚とする案があります。

1枚で対応しようとすると、ガラスの枚数を増やす以外、性能向上は望めません。

一枚サッシで、ガラスが3枚以上になると、確実に重さで悩むと思います。

また、巨大台風のように飛来物の威力が増大しているので、割れた時の危険性も

問題です。破片が危ないだけではなく、「取り替えまでの時間」が厄介です。

修理を業者に依頼しても、納品時期が分からないようなケースです。

防犯ガラスも万全ではありませんが、少なくとも「二重窓」であれば外窓で危険を

防ぐことができます。

 

当然のように、防犯ガラスの外側に、雨戸を設置します。

普段から、雨戸を使用します。酷暑、極寒時には昼間でも積極的に雨戸を閉めます。

雨戸+防犯ガラス+ペアガラスのほうが、トリプルガラスで1枚のサッシよりも色々な

面で性能が上です。

 

この自宅モデルの改修案の場合、おそらくUa値は0.55程度か、もう少し低くなると

予想しています。地域的に十分な性能と思います。

 

費用対効果、現在の不動産としての価値、将来的な価値を総合的に考えています。

これからの新築の場合、Ua値は低いけど、不動産としての価値も「低い」という

ことも予想できます。

 

価格は大きく上昇しているのに、不動産としての価値が「低い」というリスクも

考えるべきと思います。

理由は、「こだわりすぎ」にあります。

自分たちさえ満足できればいい、とこだわるほど、客観的な不動産としての価値は

下がることが多いです。

客観視できるかどうか、が不動産としての価値を向上するうえで大切です。

 

建築費がこれだけかかった、ということと、価値があるということが同列ではありません。

普遍的な価値を持つ住宅を建築することが、財産になるか負債になるかの分岐点です。

また、維持管理がしやすいかどうかも重要です。

 

床下エアコン、天井内の空調機器のように、新築の時は設置できた機器も、10年後

くらいに更新しないといけないときに、「どうやって入れ替えるか」という問題も発生

することがあります。

 

他にも家電が肥大化したり、あらたな家電が開発されると、家にどこから搬入すればいい

かわからない、ということも「先に」考えるべきです。

 

新築時から「建てっぱなし」では、劣化するだけです。

価値は「一気に下がる」ことになります。

 

維持管理がしやすい家=正しい高性能な住宅と私は考えています。

自宅モデルのメンテナンスから、性能を時代に合わせて向上することができると、

負債ではなく財産につなげることができると思います。

 

ミクロ的な視点ではなく、マクロ的な視点で考えるようにしています。