テレビ等で病気の診断にセカンドオピニオンについて取り上げられる

ことがあります。よく名医の・・・等で言われます。

最初の診断と次の診断や最後の診断で、やっと正しい症状が分かる、という

内容です。人体で病気の場合は、よく聞きます。

 

ですが、不動産でセカンドオピニオンとは聞かないと思います。

私も聞きません。

今回、ある不動産の所有者からの相談で、この不動産での

セカンドオピニオンが必要なのでは?と思いました。

 

不動産の評価方法についてです。

価値なし、問題外、ゴミのような査定がされた案件です。

複数の場所に保有されている所有者で、一方は農地や山林、もう一つは

市街地にある古家と土地などです。

 

農地・山林につけられた評価額は「ゼロ」でした。

正しくは「査定不能」となっていました。

 

もう一つの古家と土地は、再建築不可のため、価格が1/3程度になっていました。

再建築ができない理由が、道路です。

新築時は、私道で位置指定がされていたので建築できていました。

ところが、現在はブロック塀などが道路部分にはみ出していて、

有効幅員が基準を下回っています。そのせいで再建築できない、と判断した

ようです。

 

私道であったのですが、現在は5/8が市の所有になっています。

過半数は市が保有した私道です。

ややこしいです。

解釈を変更すれば、再建築可能ではないか、と思われます。

しかし、思い込みは危険です。

一つずつ、確認をしないといけません。

 

まず、完全な市の所有ではなくても、市道認定がされている

場合があります。その場合、公道となります。

公道であれば、基準法上の道路と判断されれば、再建築可能となります。

市道ではない場合、私道であっても位置指定か2項道路に認定されれば、

再建築可能になります。

この点を調査します。

 

ここで、重要な問題がありました。

現在の所有者は平成15年に、不動産会社2社の仲介で購入していたことです。

重説があるはずです。

道路については1丁目1番地の内容です。

この説明がない、とは思えません。

当時の書類を所有者に探してもらっています。

さらに、契約書の特記内容も問題でした。

農地の売買です。

 

特記事項では、地目変更が前提になっていました。

農地で簡単に地目変更はできません。

不動産業者であれば、常識です。

所有者の変更と地目の転用がある場合、農地法5条の許可が必要です。

この許可がないと、何もできません。

農地転用の手続きは、必要になる書類がかなりあります。

実務に携わっている人であれば、よくわかると思います。

 

この契約書の特記事項を読むと、驚きました。

少なくとも、私はこのような記載は絶対にしないからです。

その記載された内容は、「売主の責任において地目変更登記を行うものとする。その費用は売主の負担とする。若し万一地目変更ができない場合、売主、買主、仲介者三者協議の上一番良い方法で解決するものとする。」です。

 

5条許可について記載されていません。普通に地目変更ができる前提です。おまけに、地目変更できない場合、「一番良い方法で解決する」という記載には唖然としました。

子供の書き方と思いました。

具体的な対策が全く示されていません。

平成15年当時の免許は、(9)の業者と(10)の業者です。

現在も存続しているとすると、(12)、(13)くらいでしょう。

 

これがポイントです。

( )の数字が大きいと、それだけ長く営業していることを示しますが、免許を

最初に受けた時は、昭和の中期と分かります。すると、宅建「主任者」試験も

昭和の中期と推測できます。

だから、こんな雑な、いい加減なことができるんだ、と感じました。

現在の試験であれば、確実に不合格レベルです。

再試験を強く望みます。

 

なぜセカンドオピニオンなのか、それは現在の所有者が価格の根拠に疑念を抱き、

相談に来られたからです。

通常、業者が査定した価格に文句をいうことはありません。

今回は、客観的に再調査を言われています。

全く同じ結果になるかもしれません。

すでに、違いますが。

 

そうすると、評価額が大きく変わることになります。

病気の診断は生命に直接、関係します。

不動産の評価は、直接ではありませんが、経済面で影響します。

慎重かつ迅速に調査を行い、依頼者の心配事を消したいと思います。