都市部と田舎では、不動産の評価基準が異なります。

都市部では路線価が用いられます。

田舎では倍率を用います。

 

都市部ほど、評価はしやすいです。

当然の条件として、住宅用地であれば再建築可能な条件であること、

が前提になります。

クリアしている場合、誰が評価額を計算しても、ほぼ同じです。

異なるのは、「査定額」です。

評価と査定は同じとは限りません。

 

需要と言う要素が大きな影響を及ぼします。

俗に人気地域といわれる場所で、供給が少ない場合、評価額を

はるかに上回る査定金額になることがあります。

 

一方で、地方の場合、路線価ではなく、倍率地域が多くなります。

何に倍率を用いるのか、これは固定資産税評価額に倍率を使います。

元の価格が低いので、倍率をかけても大した金額にはなりません。

しかも倍率で計算した評価額と、実際の査定額は大きく異なることが

多くなります。査定額のほうが「低い」ことが増えます。

 

評価額は単純計算で算出されます。

査定額は、色々な要素で算出します。

特に田舎の場合、需要が無ければ価格の意味がありません。

しかも農地になると、やたら面倒なことがでてきます。

 

都市部で市街化区域内であれば、1,000㎡までなら届け出だけで転用可能です。

これが、田舎になると面倒な条件が加算されます。

農振です。

この農振内の農地で、農用地内の場合、純農地となります。

最悪です。

通常、売却を検討することはありません。

転用は不能です。

農地として購入可能な買主を探すことになります。

価格は、買主の要求が通りやすくなります。

 

田舎の農地の場合、まず農振かどうか、が重要になります。

農振ではない、農用地でもない、ここから始まります。

この場合、多くが市街地に近い場所にあるなど、農地よりも他の用途が

良いと思われる場所が多くなります。

そうすると、面積によっては農地転用が可能になります。

所有権と地目の変更=5条許可となります。

(普通に条文に許可と書かれていますが、講学上は認可です。)

5条許可も農業委員会から条件を付けられます。

これが金額に換算すると、甘く見てはいけない金額になってきます。

 

評価ではなく、査定を行う場合、転用時の必要金額から検討します。

そのため、よほど好立地でない限り、売主の要望金額には届かないことが

多くなります。

 

相続で農地や山林の価格が問題になることがあります。

実勢価格、成約予想価格は算出が困難です。

需要があるかどうか、で決まるからです。

ですが、評価であれば算出できます。

これも査定ではありません。

倍率を用いた評価額の算出です。

 

すると、評価額はでます。

これが売却可能な金額かどうか、と思ってはいけません。

税務署や裁判所が評価する場合の計算方法だからです。

査定額が重要になります。

 

しかし、多くの場合、農振で農用地内の農地に価格はつきません。

評価額とは大きくズレが生じます。

この点を所有する人は考慮すべきです。

 

山林や広い農地の場合、他の法律が関わることが常です。

山林であれば、保安林に指定されていることもあります。

税額が低い理由が必ず存在します。

 

上水道は当然のように「無い」ことがあります。

農地であれば、一般的に道路より「低い」です。

造成しようとしても、造成費が高額になりがちです。

さらに近隣の農地から、色々な要求を受けることがあります。

特に利水についてです。

言いたい放題言われることもよくあります。

都市部と大きく異なる点です。

 

相続前に、被相続人は何を保有しているのか、確認することが望ましいです。

相続してからだと、逃げられません。

都市部に在住で、地方の親から不動産を相続しそうなときは、事前に

現地の確認と売却可能かどうか、ある程度まで把握したほうが良いと思います。