アメリカ主導の連合軍がシリアに介入して数年になりながらも、「市民を守る」という本来の目的を全く果たせず、逆に「穏健派テロリスト」を公に支援してより一層の混乱と市民の苦しみを倍増させていました。

 

このシリアの構造は何も新しいものではなく、これまでイラクやアフガニスタン、リビア、イラン(失敗)、ウクライナなどで起きたこととほとんど同じような構造です。要は「独裁者(あるいはテロリスト)がその国で恐怖政治を行い、国民などに対して酷いことを行っている。そこに自由や民主主義を実現するために、アメリカが軍事力で市民のために介入する」としつつ、実際には「独裁者」の下で良く機能していた国を壊滅させているだけでした。

 

 

一方、最初からずっと、アメリカなど海外の介入を議論で抑えようとしていたロシアが昨年、本格的にシリアに軍事的にも介入。その後も、西側メディアでは「ロシアがシリアで病院や学校を狙って多数の犠牲者を出す」などと非難し続けてきましたが、ロシア側は「それはむしろ西側の連合軍がやっていることだ」と証拠をつきつけて反論してきました。西側はもちろんそういったロシアからの反論はスルーし続け、どんどん別な「被害」をでっちあげては世界中に「ほらな!シリア政府軍とロシア軍が、今度はこんな酷いことをしているぞ!」と、世界中でロシアへの反感を盛り上げる作戦を取っています。

 

今年はイギリスのEU離脱の国民投票でまさかの離脱、アメリカ大統領選挙でまさかのトランプと、大手西側メディアがけん引しようとしていた方向性の逆の方向を市民が選ぶという事象が続き、西側政府・メディアの面目は潰され、これ以上、真実が明るみに出て信用性や権威を失うことを恐れて必死なのは、自分たちに都合悪い情報を発するソースを「偽情報」「プロパガンダ」とヒステリックに決めつけ、政府も情報統制を厳しくする政策を次々と発表しているところからも明らかです。

 

私はシリア紛争が始まった頃からずっとRT(ロシア)サイドの情報もチェックし続けて両サイドの情報をチェックしていますが、どう見てもロシア・シリア側の発する情報の方が統一性、整合性があって全体としてみると筋が通っているので好きです。普段見ている情報によっては各個人で受け止めている「真実」も異なるかと思います。しかしたとえば夫婦喧嘩で一方からの愚痴を聞いていて想像していた話も、もう一人から話を聞くと全く異なっていたことがわかる場合もあるかと思い、こちらに私が見かけた最近のシリア関連情報をまとめています。

 

判断はご自由にどうぞ。

 

 

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ロシア軍機が黒海に墜落、92人全員絶望か シリア行き
12月25日

http://www.asahi.com/articles/ASJDT4PSXJDTUHBI00M.html など

 

ロシア軍の世界的に有名なアレクサンドロフ・アンサンブルのメンバー64人や、シリアで医療サポートで市民に対する医療サービスを提供しようとしていた女性医師エリザベータ・グリンカ氏、報道関係者9人を含む92人が搭乗した航空機がソチから離陸間もなく墜落しました。

合唱団はシリアのロシア軍基地で新年のコンサートで歌う予定でした。

 

スプートニク紙によれば、同航空機のブラックボックス2機とも回収され、うち一機には「コックピットボイスレコーダーにはパイロットのひとりが高揚力装置が作動しなくなったと叫んだ後、地上への接近を告げるシグナル音が響き、続いて「機長、落下しています!」という叫び声が録音されていたということです。

 

この墜落の1週間前には、トルコでロシア大使やモスクワの外交官が殺害されています。

またロシアとシリア政府がアレッポから「穏健派テロリスト」を駆除したことに不満な西側政府とメディアは、総力でロシアとシリアに責任をなすりつけようとしています。

 

そしてこの墜落事件から、一つ前の記事にあったこの一文が思い出されます。

 

「 アメリカの指導者オバマはロシア連邦に対する彼の報復は、『明確な報復かもしれないし、一部はそうでもないかもしれない』と警告を発している 」

 

 

「God Bless America」を歌う同合唱団


この動画が在米ロシア大使館のツイッターアカウントから投稿されていました。

 

 

 

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その少し前にはこんな興味深いニュースもありました。


流血ではなく赤いペイント:「アレッポの惨劇」の偽画像をエジプト国内で撮影していた写真家
Red paint not blood: Photographer nabbed shooting fake images of ‘Aleppo suffering’ in Egypt

 

12月20日【RT】https://www.rt.com/news/371035-egyptian-photographer-aleppo-fake/

 


 

 

 

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シリアのアレッポで地雷除去に当たるロシア地雷工兵が、アメリカ、ドイツ、ブルガリアで作られた炸裂弾を発見する

Russian sappers sweep Aleppo for mines, discovering shells made in US, Germany (VIDEO)

 

12月28日【RT】

 

ロシアの不発弾処理チームは、アレッポ市内で反政府軍がコントロールしていた地域にある学校やモスクで、ブービー弾や地雷、武器弾薬の除去作業を継続しています。

 

世界中の様々な場所で製造された爆発物が回収されていますが、中にはアメリカやドイツ製のものも含まれていました。中にはアメリカの兵器企業のためにユーゴスラビアで製造されたと記されているものもあったということです。


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シリア・反政府軍が水の供給元に有毒物質を混入し、首都ダマスカスで深刻な水問題が5日間続く

‘No water for 5 days’: Damascus struggles after rebels reportedly poison supply (RT EXCLUSIVE)

12月28日【RT】

 

シリアの首都への水供給が停止されて5日間になる。西側メディアはシリア政府が水の供給を停止していると非難しているが、反政府軍がこの水問題の背後にいることを示す証拠もあれば、彼らが脅迫をする動画も存在している。

 

Ein al Fijaという貯水池の湧水はダマスカスの水供給の65%を占めているが、反政府軍がディーゼルやその他有害物質を混入させた。政府はこの汚染された水が首都に到達するまでになんとか差し止めることに成功し。RTのレポーターが住民に質問をしたところ、彼らは口を揃えて不安を示し、「テロリスト」が水の供給を差し止めたと非難している。

 

市内での水販売価格は法外な金額に急騰しているが、地下水が発見されたり、あるいは政府の水管理当局が無料で水を供給している。

 

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トルコのエルドアン:米国主導の連合軍がシリア国内のISISおよび他のテロリストを支援していることを示す「証拠を確認」

Turkey's Erdogan: 'Confirmed evidence' US-led coalition supports ISIS & other terrorists in Syria

12月27日

 

これに対し、米国務省のマーク・トナー報道官は次のように指摘しています。

https://jp.sputniknews.com/us/201612283189859/

 

「これは馬鹿げた声明だ。」

・・・以上笑い泣き笑い泣き笑い泣き
 
馬鹿げている。以上(笑)

でもまだ、返事しただけマシな方ですね(笑)

 


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一か月前の映像ですが、ロシアの和平調整センターから救援物資を受け取る市民の様子

 

 

 

 

 

 

2週間前の映像。ロシアから35トン相当の救援物資を受けとるアレッポ東部の市民の様子

 

 

 

・・・西側はシリアとロシアが結託して市民に対して残虐行為を行っていると主張しています。食べ物を炊き出しすることが「残虐」?

アメリカではホームレスの人に食事を提供するのも「犯罪行為」だそうですから、アメリカ政府のアンチ・キリスト的な視点では「残虐行為」に匹敵するのかもしれません。

 

 

西側メディアがつたえる「シリアの現状」は嘘だと話すカナダ人ジャーナリスト

 

 

 

ここまでくると、偽善を通り越して吐き気さえ感じます。。。

 

シリアでの市民の「苦しみ」を捏造し、あるいは本当に作り出し(西側が作り出した大事なテロリストを本気で攻撃もせず、でも何もしないわけにもいかないので民間人の多い地域を直接攻撃)、世界中の市民にその苦しみが本物だと思い込ませ、(日本も含む)西側諸国ではこういったねつ造された「戦争」のために軍事費を増大させています。

 

イギリスでは西側メディアの「シリア政府軍とロシアの残虐行為」を批判し、イギリス政府により積極的な関与をすることを求めるする署名運動がなされていました。

 

 

「これっておかしくないですか?

 

この人たち(アメリカのメディアFOXのニュースキャスターら)と

 

この人たち(ISIS「テロリスト」集団)が

 

 

この人たち(サウジの王族)から資金を受け取っているなんて?」

 

 

多くの国では緊縮財政で、社会福祉などから削減されているのに、軍事費は増えるのって不思議ですよね~。兵器ビジネスはお金になるからでしょうか。