16人の警官が一人の非武装の男に暴行、見ていた観衆が激怒→数で負けた警察は・・・?【動画】


(VIDEO): Crowd Becomes Angry as they Watch Swarms of Cops Jump on One Man in a Target Store
7月27日【The Free Tought Project】http://thefreethoughtproject.com/witnesses-angry-watch-dozens-officers-brutalize-man/#W5Mi7gl8Vh7hV6jy.99 より翻訳



NY市ブルックリン、フラットブッシュ(Flatbush)にて:

残念なことに、ニューヨーク市警による過剰な武力行使への批判がもう一つ起きましたが、それすらもはやニュースにもならないくらい日常的なできごとになっているというのが悲しい現実です。

しかし昨夜、フラットブッシュ地区のターゲット店
(訳注:アメリカの日用品の大型小売チェーン店)で起きたことは一味違うものでした。しかもほとんどが動画に撮影されていたのです。

この動画を撮影した男性は、「応援に来た警察官チームによって被害者の身体は押さえられていましたが、その頭部へ複数の警察官が繰り返し、膝で飛び乗っている様子を目撃」したと、私たちThe Free Thought Projectのインタビューに対して答えてくれました。


動画ではその後、その男性の顔を地面に向けた状態で6名ほどの警察官らが自らの体重をこの男性にかけている様子が写されています。




一人の警察官は、繰り返し自分の膝で、男性の頭部を床に押し付けるようにしているようにも見受けられ、また他の少なくとも二人の警察官は拳で男性を殴りつけていました。

目撃者によると、この男性は武装しておらず、この動画の中では男性が警察官に対して攻撃を加えようとしている様子は一切、写されていません。


しかしこの事件では、周りの群集からの反応が他の暴行事件とはまったく異なり、事件に大きな意味を持たせています。


画面上では、警察官に対して物理的に抵抗したり、戦おうとしている人間は群集の中にはいないものの、見物人の中には何人か、警察官の行動に対して特に反対意見を口にしている人もいました

一部の見物客は問題の男性に近づきすぎたようで、現場にいた約16人前後の警察官のほとんどが、群集を後ろに留めることに意識を素早く集中させました。

警察官らは明らかに神経質になり、怒った(しかし非暴力的な)群集に囲まれて、数で負けていることを心配しているように見えました。そして皮肉なのは、この「勇気のある」男女の観光客が問題の男性の上に山積みになり、彼を地面へ押し付けてしまったことです。

見物者からの反応は、この国(アメリカ)での現在の状況を雄弁に物語っています。


この男性は報道によると非武装で、かつ動画からは戦い返そうとさえしていない様子でした。この場合、明らかに一人に16人の警察官は必要ありません。

しかし、もしあなたが群集心理(ギャング心理)を持っていて、さらにアメリカの市民は「敵」だと考えている場合であれば、自分の身の安全を守ろうと少なくとも10人強程度の武装したギャング(訳注:警察官を指す)は欲しいと思うことでしょう。

さらに、ターゲットの店舗のど真ん中で、自分の身の安全を守るために小型の軍隊が必用であるとすれば、おそらくは、一般公衆からの憎悪感を買うような何かをしたからなのかもしれません。

たしかに様々な視点から考えると、警察官自身が自由と正義の両方の敵になってしまっているため、一般人が警察の敵だと考えるのには十分な理由があるようです。

昨夜のブルックリンのターゲット店での出来事では、警察官は地域コミュニティーをより安全にしてくれる勇敢な男女であると、人々は考えていないことが明らにされています。
 
人々は、警察官がよく見せる顔を、警察官のイメージとして持っているようです。

それはつまり、危険で予想がつかず、警察官が守るべき人々の安全よりも権力と支配力を持っていることをずっと、気にかけている暴力的なギャングである、というものです。




(翻訳終了)


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【コメント】

今年4月の記事で、こんなものもありました。

アメリカ国内では、テロリストよりも警察官の方がよほどアメリカ国民を殺害した数が多い(Cops have killed way more Americans in America than terrorists have)


http://boingboing.net/2015/04/14/cops-have-killed-way-more-amer.html




こちらの記事によると、2000年以降、アメリカ国内でイスラム過激派によって殺害されたアメリカ人よりも警察官によって殺害されたアメリカ人の方が多いということで、そのほとんどが銃殺だそうです。

地図にある点は警察官が市民を殺害した地点を指し、点の色は殺害方法を示していますが、赤の銃殺が圧倒的多数を占めています。

実際、英語圏のニュースをフォローしていると、アメリカからは毎日のように信じられないような警察官の暴力行為が伝えられています。しかも、殺害までにいたらないケースはこれよりもはるかに上回っています。

たとえば、母親が言うことを聞かない10代の息子を落ち着かせるために警察官を呼んだところ、警察官が来て、その少年を銃で殺害したり、あるいは妊娠中の女性をライフルで射殺など、例は尽きません。

しかも上の動画でもそうなのですが、警察官、特に暴行を加えたと去れる警察官のほとんどは白人で、殺害や拷問、負傷させられた市民の多くはアフリカ系やメキシコ系など、有色人種である場合がほとんどです。



ラッセルブランドが取り上げているこの動画では、バーベキューをしていただけのビキニの若い女性に警察官が拳銃を出して脅し、地面に押し付けています。問題の場面は最初の数分だけです。



しかもこの騒動は、近所の人が警察に「近所でBBQをしている黒人がいる」という通報があったための出動だったとか・・・。


ともかく、どちらの場合でも、これがまだ警察官の制服を着ているからなんとなく許されている部分がありますが、もしこれが、制服も着ていない、一般市民が他の一般市民に行ったものとしたら・・・?

もうサイコパスの犯罪者確定でしょう。しかも「市民全員が敵」だと考えているとしたら、被害妄想の気もありますね。



「おかしいですね。

アナーキーと言うと殺人や強盗、レイプなどが可能になると主張する人もいますが、


これ(警察のバッジ)さえあれば、

今だってできますよと、私だったら言うところです」



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と、普通はここで「警察は恐ろしい敵だ」という視点で終わるところですが、ラッセルブランドはこの動画の公開の直後、「Love Police(警察へ愛を!)」というおもしろいキャンペーンを始めています。





Austerity March: Hate The Mail? Love The Police? Russell Brand The Trews (E346)   


彼自身がツイッターなどで
#LovePoliceキャンペーンを訴えかけたところ、退役、あるいは現職の警察官などからもラブコールがあったのだとか。

たしかに暴力的な警察官ばかりでなく、良心的な面のある人もいるのは事実です。「警察官」と全部、一括でまとめてしまう(一般化する)のもやり過ぎですし、権力者対市民という対立構造で考えると、
警察官や軍人なども任務やある程度の権限の与えられた市民ですから、かなり的を得た運動だと感心してしまいました。


また実際に、目の前で動画のような警察官の明らかに不必要な暴力行為の現場で、この通行人の方たちのように、あくまでも暴力行為に走らず、でも決して黙って見過ごしたりしないというのはとても勇気のいる行動かと思います。これだけ警察官の暴力的な事件が続いていますから、自然に出た行動なのかもしれません。


しかも数で怒った群衆が警察官を上回り、警察官を萎縮させたのを見ると、平和的な抗議でも数で勝れば暴力的な行為に出る必要もない、ということを証明さえしているかのように思われます。