蒼の妖精 3 | wakayanのブログ

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寒さに朝、目が覚がめた
窓の外は雪景色だった

おいらは窓から雪の積もった外を眺め、うきうきしてきた

ガウンを引っ掛け、外に飛び出そうとした

が……あまりの寒さに、開けた扉を一秒後に再び閉めた

ほんの一瞬だったのに、体に冷気が纏わりついた



「ふぇ~ん」

寒い~プルプル~



「智~

 ほら、ミルク飲みなさい

 温まるから」



先に起きていた翔が、ミルクを差し出す

うん……ふぅふぅ

コクコク

うまぁあい

ミルクが濃いんだ

翔は珈琲を飲んでる



朝ご飯はおいらの仕事

トーストとサラダとスクランブルエッグ

簡単な朝ご飯だけど、翔が美味しそうな顔で食べてくれる

翔と過ごすのは出逢った夜も入れたら、もう4日目だ

トーストかじりながら、翔の顔を見る

翔は…なんで何も知らないおいらを拾ってくれたんだろ

おいらが、悪い人間だったらどうするんだよ

不安に思わなかったのかな…



「馬鹿だね智は…

 俺は一応、推理小説を書いてるんだぞ

 刑事や前科者にも、知り合いが沢山いるし、それ なりに人を見てきている

 危険な人間か、どうか位は解るよ」



「おいら……どうして拾ってくれたの」



翔が即答した

「可愛くて、エロかったから」



「可愛くないしーエロくないしー!」

翔ったらわかってないじゃん



「ふふん

 じゃ……証明してやろうか?」

翔の瞳に怪しい光が浮かぶ



「あ……やん

 証明してくれなくて良い」



翔がニヤニヤ笑う

エロじじいみたいだよっ



「ま、後でね

 昨日、灯油買うの忘れてから買って来るよ

 智は家でゆっくりしておいで

 掃除は今日は良いよ」



おいら、掃除とご飯の担当

ご飯は携帯の料理サイトを見て作ってる

っていっても、簡単なものばかりだけど



朝ご飯を食べてから、翔が出掛けていった

本屋にも寄るから、帰りは昼頃だと言った

昼食も買ってくるって言ってた



一人になって、窓の外を眺める

白い大地と灰色の空、波が高く上がる海

………………絵

絵が描きたい

おいら、まだ今でもこっそりと絵を書きつづけていた

おいらの楽しみ、趣味だから



キョロキョロ見回すと、翔の机の上に何本かのペン

白紙のコピー用紙

おいらはちょっと借りる



窓際に椅子を持って行って、景色を描写し始める

空………雲………雪………波しぶき………




ふと、何か音がした気がした
あれ?翔帰って来たの?

「翔?
 翔帰って来たの~?」
おいらは紙とペンを置いて、玄関に向かう
扉を開けたけど、誰もいない
変だな……
ドサッと雪が屋根から落ちてきた
あっ……雪か…
おいらはまた、絵の続きに向かう
絵を描いている時は無心になれる
心の翼が羽ばたきをする
おいら………生きてる






またしても、ヴァンバイア・ジュンの俺とカズナリは屋根の上にいた

「カズナリ~寒いぞぉ」

「寒い訳無いでしょヴァンバイアなんだから」

「いや、心理的に寒い」

「わがまま言わない!
 私の方が寒いですよ」

「そのコート、充分暖かそうに見えるぞ」

「見えるだけです
 身体的には人間と変わらないんですから」

あっそうだったな魔法使いは、不死身じゃなかったな
それより‥……
「なっ、俺ここに店出そうと思ってるんだ
 良い材料が豊富なんだよ」

「あぁ、良いかもしれませんね
 何より、人間が少ない!
 正体も隠しやすいですしね」

そう、俺はここが気に入った
海も山もある、しかも空気まで澄んでいる
寂しい所でも構わない
あの翔って男も中々、面白いしな……

「あの男は、単に智が気に入っただけか?」

カズナリが首を横に振る
「勿論、それが大きいでしょうが、ほっとけなかったんでしょうね
 基本的に物凄く優しい男なんですよ
 だから……今まであの人の恋は上手くいかなかったんでしょうね」

「うん?どういうことだ?」

「本能で傷ついた女や男ばかりを拾ってしまうんですよ
 そして、元気になったら、みんなここにいてはいけないと感じてしまうんですよ
 だって、心の療養所だから………
 心が治れば出て行ってしまう」

「‥……優しすぎる、いい人は……
 物足りなく感じるか‥……
 好きになれても愛せない」

俺は不意にルイの横顔を思いだした
‥……バロン バロン どうして、離れて行くんだよ
一緒にいてくれよ……

「そうですね……
 誰かが言ってましたね
 いい人って………辛いんですよねって
 いつか、彼の愛がなければ生きていけない位に愛してくれる人が現れてくれたら良いんでしょうが ね………」

「難しいな………」

「あっ、帰って来ましたよ
 姿を消して下さい
 もう!どんくさいですね!
 手っ取り早く、蝙蝠に変身して下さい」

「ヒドい、カズナリ~」

「早くしてー」






「智~ただいま~
 可愛くてエロい智ちゃ~ん」

「‥……………帰って来るな」

「あっはっはっ」

翔はまた、大量の買い物をして来た
コンビニすら遠いから、一度に買い込む量がどうしても多くなるそうだ
だったら、なんでおいらを荷物持ちに連れて行かなかったんだろう

「寒いだろ?
 風邪引かれちゃ~色々~ぬふふ
 出来ないじゃないか~」

もう!スケベ!

食糧や雑誌、それに翔はクリスマスツリーを買って来た

「ほら、クリスマスまで後少し、だからね」
翔がちょっぴり照れた顔で笑った
やっぱり、目尻の笑い皺がセクシーだ

去年は…翔くんやみんなとツリーの飾り付けをした
翔くんは……今年は…彼女と飾り付けしてるのかな………
イブも彼女と過ごすんだろうな……


翔は何気ないふりをしてるけど、飾り付けをする指先から楽しんでいるのが伝わってくる

「いやぁ~
 クリスマスツリー飾るなんて、子供の頃以来かな…」

ジングルベル ジングルベル鈴がなる~
今日もエロ可愛い 智ちゃ~ん

翔……変な替え歌~
おいらも~

ジングルベル ジングルベル鈴がなる~
今日も変態 櫻井ショーウ

「智~なんだよ~変態って」

「アハアハ だって~」



今年は……翔と過ごすクリスマスになりそう
翔くん………
翔くんは……誰と過ごすの