【永田町情報】 ★大いなる期待を持て余す「橋下維新」 時事通信社解説委員・田崎史郎。。。 | 川口市議会議員 わかやまさみ オフィシャルブログ 「いつも笑顔で」Powered by Ameba

【永田町情報】 ★大いなる期待を持て余す「橋下維新」 時事通信社解説委員・田崎史郎。。。

無事、帰国しました…


ワカ」こと…


川口市議会議員の若谷正巳です。


恒例の…


~時事通信~


【永田町情報】 ★大いなる期待を持て余す「橋下維新」 時事通信社解説委員・田崎史郎

 

 次期衆院選で超大型台風の目となるとみられる、大阪市長・橋下徹率いる「大阪維新の会」。この夏のお盆休み、国会が事実上休会だったのに、維新の会をめぐる政治報道があふれた。

 

 元首相・安倍晋三と維新の会の急接近、民主、自民両党やみんなの党の議員が維新の会に参加する動きなどが報じられた。読売新聞13日付朝刊に掲載された世論調査では次期衆院比例代表選の投票先を聞いたところ、維新の会は自民党の21%に次ぐ16%、民主党の11%を大きく上回った。

 

 維新の会をめぐるさまざまな動きで何が本筋なのだろう。よくよく目を凝らすと、橋下ら維新の会の首脳陣は自分たちの想像を超えてモンスター化した期待を持て余しているのが実態ではないか。


 ◇維新が安倍に秋波

 安倍と維新の会の接近は朝日新聞が15日朝刊で報じたことで明るみに出た。朝日は政治部からデスクと記者を大阪に派遣し、橋下を手厚く取材している。大阪で十分に取材した結果を当てられた安倍は認めざるを得なかった。

 安倍は2月26日、大阪市で開かれた民間教育団体「日本教育再生機構」が主催するシンポジウムで大阪府知事・松井一郎と同席した。これがきっかけで、松井が安倍に「会いたい」と申し出、4月に会談が実現。安倍がその場所に行くと橋下や、橋下の後見人で作家の堺屋太一がいた。

 安倍が求めたのでなく、大阪維新の会幹事長の松井が再会を希望したのがポイントだ。そこで、安倍は驚くべきことを提案される。

 「安倍さんにこの会を預けたい。僕らを利用して日本を変えてください。安倍さんが来てくださるなら、保守であることがはっきりする。衆院300小選挙区の候補者すべてを安倍さんが選んでもらっていい」

 

 これに対して、安倍は総理・総裁経験者として離党することは難しいと答え、この話はなかったことになった。だが、その後も安倍と維新首脳部との交流は続いている。安倍が批判する「民主・自民・公明大連立」の動きが本格化するなど、政治情勢が激変するならば、安倍が動きだす可能性がある。

 橋下維新を見る上で重要なのは維新側から接触を求め、安倍に全面的に委ねる方針を示したことだ。維新は国民から大きな期待をかけられながらも、国政に足場も経験もないことが大きな弱点。しかも、新党への期待は次期衆院選1回限り、うまくいっても来年夏の参院選までだろう。

 これらの弱みを補うために安倍を誘ったというのが真相だ。安倍にしても、影響力を強める上で維新とパイプがあることはかなり役立つ。


 ◇みんなの党と近いが…

 国政進出を目指す維新には安倍以外にあと二つのルートがある。一つはみんなの党との合流だ。みんなの党幹部は「政策もブレーンもほぼ一緒なのだから、最も組みやすい。東のみんな、西の維新と地域割りもできて、企業なら理想的な合併だ」と言う。

 ただ、首脳同士の人間関係は微妙だ。橋下と接点がある自民党幹部は「橋下は渡辺喜美(みんなの党代表)を嫌っている」と言う。また、みんなの党幹事長の江田憲司は、橋下に近い元横浜市長・中田宏と2000年衆院選の神奈川8区で争うなど対立関係にある。このためか、22日にみんなの党と維新の会が合流することを検討という報道が流れると、松井は府庁内で記者団に、「みんなの党と合流というような話は一切ありません」と否定した。

 

 もう一つは民主、自民両党の離党組を吸収し、5人の国会議員を確保、政党要件を満たすことだ。民主党の元官房副長官・松野頼久、自民党の松浪健太らの名前が挙がっている。

 しかし、離党する議員はそれぞれの党でアウトサイダー的な存在だ。衆院選での当選が危うい人たちを集めた「駆け込み寺」と見られかねない。このために、橋下は21日、合流を検討している国会議員との関係について「(衆院選向け公約の)『維新八策』にどこまで賛同し、何に反対かを公開の場で明らかにしていかないといけない」と述べ、公開討論を行う意向を示した。

 どのルートも可能性があるように見えるが、その内実はまだまだ生煮えの状態だ。衆院選公示までにどんな体制を確立できるか。それによって、衆院選における維新の獲得議席は大きく変わるだろう。(敬称略)(了)

(2012年8月23日配信)