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【永田町情報】 ★勝負どころ誤る谷垣が再選されるのか 時事通信社解説委員・田崎史郎。。。

川口市議会議員の若谷正巳です。


一週間程前のアップし損ねてた記事です。


~時事通信~


【永田町情報】 ★勝負どころ誤る谷垣が再選されるのか 時事通信社解説委員・田崎史郎

 元首相・森喜朗が22日、地元での会合で次期衆院選に出馬せず、引退の意向を表明した。首相時代、「神の国」や「(無党派層は)寝てしまってくれれば」などの発言で物議を醸し、不人気な首相だったが、引け際は鮮やかだった。元首相・鳩山由紀夫や前首相・菅直人に、森の爪のあかをせんじて飲んでほしいと、すぐに思った。

 だが、森が9月の自民党総裁選について「今のところ、どう見ても谷垣さんしかいない。(総裁就任から)3年我慢してやってきたし、瑕疵(かし)はない」と語り、いち早く、総裁・谷垣禎一の再選支持を打ち出したのはいかがか。

◇自民、8月末に総裁選日程を決定

 9月8日に会期末を迎える今国会で衆院解散が行われないならば、9月は民主党代表選と自民党総裁選が政治の焦点となる。民主党代表選は首相・野田佳彦が再選確実、無投票で再選される可能性さえある。これに対し、自民党は現職の谷垣に加え、前政調会長・石破茂、幹事長・石原伸晃、元官房長官・町村信孝、政調会長代理・林芳正が出馬に意欲を燃やし、さらに元首相・安倍晋三を推す声もあって混とんとしている。

 3年前の自民党総裁選がしょせん野党の党首を選ぶ選挙であったのに対し、今回は年内にも行われる次期総選挙で自民党が第1党になる可能性が極めて高いため、事実上、次の首相を選ぶ選挙となることが最大のポイントだ。いわば、次の最高権力者を選ぶ選挙になるのだから、次期総選挙で大敗が確実視され、連立しない限り政権の座から滑落することが確実な民主党代表選よりも注目が集まる。

 谷垣の総裁任期は9月30日まで。党総裁公選規程で総裁選の投票日は「総裁の任期満了日前10日以内」となっており、休日に行うなら23日の日曜日が最有力だ。告示は「投票日の12日前まで」、総裁選の施行期日は「総裁の任期満了の1カ月前までに党本部管理委員会が総務会の議を経てこれを決定し、公表する」と決められている。

 つまり、8月末までに総裁選の日程を決めなければならない。8月下旬から9月上旬にかけては衆院における内閣不信任案、参院における首相問責決議案をめぐって与野党が激しい攻防を展開している時期だ。その時に、自民党は次の総裁を選ぶ号砲を鳴らすことになるため、日程決定を期限ぎりぎりまで先送りする構えだ。

◇森は「永田町の町長」

 森が言うように、谷垣しかいないのか? 否である。谷垣は1月の党大会以来、再三にわたって衆院解散を要求、6月23日の京都府連大会で「9月8日までの国会で徹底的に戦い抜いて、衆院解散・総選挙を獲得していくことを約束する」と言明した。

 野田が解散時期を明示しないまま会期末を迎えたらどうなるのだろう。いくら「自分が先頭に立って政権を取り戻すんだという構えでずっと来た。とにかく政権を取り戻すまではそこで徹底的にやる」(6月28日)と言っても、党内の反発を買うのは間違いない。

 今国会で解散・総選挙に追い込むチャンスは何度もあった。一つだけ挙げれば、6月15日に消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の修正で合意しなければ、あるいは合意と引き換えに解散の確約を求めていたならば、野田政権は行き詰まっていた。そういう勝負どころで勝負しなかった谷垣の責任は重い。もともと、谷垣の発信力が弱いことに対する不満が党内で根強い。

 そんな谷垣を、森が本気で推すのか疑わしい。ある自民党中堅議員は森の「底意」をこう見る。

 「森派を継いだ町村派は町村さんが意欲を示しているのに対し、安倍さんを支持する声が強く、割れている。町村派を割らないために、谷垣支持を打ち出しただけではないか。石破さんが頑張っているので、意中の石原さんを勝たせるために、票を割るため谷垣さんをそそのかしているのかもしれない」

 森は手練手管を尽くし、融和を図る「永田町の町長」としての能力はかなり高い。しかし、旧態依然たる自民党政治のシンボルでもある。自民党が本当に政権奪還を目指すのであれば、自民党が生まれ変わった、民主党とはここが違う、日本をこう変えるという姿を、総裁選を通じて見せてほしい。(敬称略)(了)

(2012年7月30日配信)