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【永田町情報】 ★野田政権、消費増税決戦前に二つの難関 時事通信社解説委員・田崎史郎。。。

川口市議会議員の若谷正巳です。


~時事通信~


【永田町情報】 ★野田政権、消費増税決戦前に二つの難関 時事通信社解説委員・田崎史郎

 新年度予算案が衆院を通過すると、「通常国会前半戦のヤマを越した」と書きたくなるのだが、今年に限ってはそういうホッとしたような雰囲気はない。野田政権の命運や衆院解散・総選挙に直結する消費増税法案という、もっと高いヤマがそびえたっているからである。

 しかも、消費増税法案のヤマに向かう前に二つの難関があり、それは日本の針路を決める重大事だ。


◇原発再稼働果たせるか

 まず、原発の再稼働だ。政府は今月中旬にも、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題で判断を迫られる。

 関電は電力供給の約半分を福井県にある原発に依存している。大飯原発が動かなければ、昨年夏、政府が東京電力管内で使用制限令を出したような事態が関西電力管内でも起きる可能性がある。その結論を「5月連休明けには出さなければ、企業などの態勢づくりが間に合わない」(政府筋)といわれる。

 関電大飯原発3、4号機の再稼働について、政府は次のような手順を踏む。

《内閣府の原子力安全委員会が、経済産業省原子力安全・保安院がまとめたストレステスト(耐性評価)に関する審査を「妥当」と判断→首相と3閣僚(官房長官、経済産業相、原発担当相)が協議し、安全性を確認した上で、福井県など地元自治体に説明することを決定→地元の同意が得られれば、首相と3閣僚がふたたび協議し再稼働を決定》

 

 政府筋は「ドアをノックして、入っていいと言われればドアを開けるようなもの」と説明する。2段階方式を採るのは昨年6月、当時の経済産業相・海江田万里が九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働を要請したのに、首相・菅直人がストレステストを求めて覆したからだ。福井県は政府の一致した判断を先に示すよう求めている。

 

 「来年度予算案で整備新幹線の未着工部分(北海道、北陸、九州)の着工を認めたのは、敦賀まで伸びる北陸新幹線に予算を付けることによって、再稼働で福井県の理解を得やすくするためだった」

 政府・民主三役会議のメンバーの一人はこう明かす。しかし、同意が得られるかどうか微妙だ。もし、大飯原発でしくじると、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)、東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)などの再稼働も難しくなる。東電と原子力損害賠償支援機構が月内に策定する総合特別事業計画は新潟の原発再稼働を前提としており、事業計画の達成が危ぶまれることになりかねない。

 

 この問題にかかわっている閣僚の一人は恨めしそうにこう語る。

 「昨年6月、菅さんが九電玄海原発の再稼働を止めなければ再稼働の前例ができて、こんな苦労をしなくて済んだ。あれは、明らかに失敗だった」


◇TPPも加わり、楽観は禁物

 原発再稼働が国民の反発を買う可能性があるのに対し、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加は民主党内がふたたび混乱する恐れがある。

 首相・野田佳彦は昨年11月11日、記者会見し、「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と表明した。野田の表現はあくまで「交渉参加に向けた協議」だ。

 これを受けて、政府は参加各国との協議に入り、ベトナムなど6カ国から日本が参加する了承を得た。現在、米国、オーストラリア、ニュージーランドと交渉中で4月中にも了承されるとみられている。

 一方、野田は5月連休中に公式訪米し、オバマ米大統領との首脳会談を調整中だ。外務、経産両省は訪米までに事前協議を終え、閣議か、「経済連携に関する関係閣僚会議」か、首相記者会見で参加を正式表明するよう求めている。しかし、官邸からは霞が関に、促進論と慎重論の二つのシグナルが送られている。

 米国向けには正式決定した方がいいが、正式決定しようとすれば昨年11月の党内対立が再燃。最悪の場合、TPP参加に依然として慎重な農水相・鹿野道彦の進退問題に発展するかもしれないという懸念を官邸の一部が抱いている。たしかに、消費増税法案の扱いにTPPが加わったら、収拾がつかなくなるかもしれない。

 首相官邸では、今月初めに行った日本テレビやTBSの世論調査で内閣支持率が少し上昇し、野田が4日に出演した日テレ番組「真相報道バンキシャ!」の視聴率が15.4%とまずまずだったことから、一息ついているようだ。しかし、消費増税や、その前の二つの難関に思いをめぐらすと、とても楽観できる状況ではない。(敬称略)(了)

(2012年3月12日配信)