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【永田町情報】 ★野田は小沢を説得できるか 時事通信社解説委員・田崎史郎。。。

川口市議会議員の若谷正巳です。


~時事通信~


【永田町情報】 ★野田は小沢を説得できるか 時事通信社解説委員・田崎史郎

 今のような政治状況を「嵐の前の静けさ」と言うのだろうか?

 3月に国会に提出される見込みの消費増税を含む社会保障・税一体改革法案が衆院本会議で採決される場面を迎えれば、政権が窮地に陥るのは必至だと誰もが思っている。しかし、国会審議は淡々と進み、この危機を回避するために、首相・野田佳彦ら政権側が有効な手を打っているようには見えない。

 来年度予算案は、東日本大震災から1年に当たる3月11日までに衆院を通過させることが与野党の暗黙の合意となっているので、政権側は審議日程を消化していけば当面何とかなると、高をくくっているのかもしれない。だが、肝心要の一体改革法案を成立させる展望はまったく開けていない。


◇一体改革案、小沢系造反で否決も

 一体改革法案を衆院本会議で可決するカギは民主党元代表・小沢一郎が握っている。小沢は昨年11月中旬から、再三にわたって消費増税に反対する意向を表明。今月22日の朝日新聞インタビューでは「賛成できない」と明言した上で、次期総選挙前の政界再編、つまり民主党分裂にも言及している。

 問題は小沢に同調する衆院議員がどの程度いるかだ。小沢に毎日のように会っている議員に探りを入れると、こう言う。

 「われわれの勢力は衆院だけで80人。昨年暮れに10人が離党しなければ90人いた。今でも、参院を含めれば100人ぐらいいる。4月に無罪判決と出れば、もっと多くなって130~140人ぐらいになるだろう」

 小沢に対する判決は4月26日ごろとみられている。判決を前に、東京地裁は今月17日、資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)事件で、小沢に虚偽記載を報告し、了承されたとした衆院議員・石川知裕の捜査段階の供述調書を証拠不採用とした。これによって、政界では小沢が無罪になるという観測が急速に強まっている。

 小沢の勢力について、党執行部内でも「50人はいるだろう」という見方が強い。民主党の衆院勢力は291議席。過半数は240だから、小沢系が52人に達したら、一体改革法案は否決される。

 もちろん、造反者がもっと少なくなって可決される可能性も皆無ではない。だが、その場合でも参院で民主党は過半数を確保していないのだから、成立させるのは至難の業だ。野党の反対で否決されるならまだ面目が立つが、党内の造反によって否決されたとなったら、野田は衆院解散に踏み切ることもできず、退陣せざるを得なくなるだろう。


◇細川も野田に冷ややかに

 こう考えれば、野田によって最大の難関は当面、小沢だ。小沢対策を期待されて幹事長に就任した参院議員会長・輿石東は16日夜、小沢、元首相・鳩山由紀夫と会食したが、小沢や鳩山のその後の発言に変化がなく、不調に終わったとみられる。となれば、野田が小沢と会って協力を求めるほかない。

 野田は昨年8月、民主党代表選の渦中に元首相・細川護熙の仲介で小沢と会っている。細川の知友である田中秀征が「ダイヤモンドオンライン」の「政権ウォッチ」最新号で、細川と今月上旬に「2人でじっくりと意見交換をした」として、次のように書いている。

 「細川氏の野田政権に対する熱意は急速に冷めてきた。野田首相が“脱原発”を明言しないこと。そして小手先の行政改革で増税に走っていること。さらには選挙制度の抜本改革に対する理念が見えないなどの理由からだ。細川氏は、野田首相は『逆を向いている』と厳しい評価をするようになった」

 野田は細川にも見放されたのか…。野田に対して冷ややかになった細川は再び、小沢と引き合わせたりしないだろう。となれば、野田が自身の知力を尽くして難局の打開に立ち向かうほかない。野田は、昨年暮れ宣言したように、「君子豹変(ひょうへん)」しないと嵐を乗り切ることはできないだろう。(敬称略)(了)

(2012年2月27日配信)