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【永田町情報】 ★「野田・岡田官邸」の危うさ 時事通信社解説委員・田崎史郎。。。

川口市議会議員の若谷正巳です。


~時事通信~


【永田町情報】 ★「野田・岡田官邸」の危うさ 時事通信社解説委員・田崎史郎

 この顔触れが「最善かつ最強の布陣」(首相・野田佳彦)と言えるのだろうか?

 野田は副総理兼一体改革・行政改革担当相として入閣した岡田克也を「政治家として心から尊敬をし、敬愛をし、人間として信頼をしている」とたたえた。だが、岡田は最大の難関である自民、公明党対策に有効な手を打てるのか。

 自公両党側に取材すると、政調会長代行・仙谷由人の方が岡田に比べはるかに両党とのパイプが太い。岡田が昨年8月、自民、公明両党と衆院選マニフェスト修正に関する3党合意をまとめることができたのは、東日本大震災の復旧復興と“菅降ろし”という共通目標があったからだ。新閣僚の顔触れを見ても、「年功序列」が目につき、とても「最善かつ最強」とは思えない。


◇田中直紀入閣に象徴される年功序列

 年功序列の最たるものが防衛相・田中直紀だ。田中の勤続年数は衆院と合わせ、約24年。民主党の参院議員では最も長く、国土交通相・前田武志、元消費者担当相兼国家公安委員長・岡崎トミ子、元法相・柳田稔、元防衛相・北沢俊美、元経済産業相・直嶋正行らよりも上だ。民主党幹部はその内幕をこう話す。

 「輿石東幹事長(参院議員会長)は完璧なほどに年功序列を重んじる人。田中さんは参院民主党で最長老なのに、これまで入閣できなかった。野田首相は輿石さんの推薦を受け入れたにすぎない」

 年功序列は組織運営上、やむを得ないところはある。しかし、なぜ防衛相なのか、と首をかしげる民主党議員は少なくない。また、前国対委員長・平野博文はどうして文部科学相なのだろう。前任の中川正春の仕事ぶりは高く評価されており、平野は中川より文部科学相にふさわしいと現段階で立証するのは難しい。

 民主党で、この人たちが育ってほしいなと思うのは当選2~4回に多い。旧民主党と、旧新進党解党によって行き場を失った人たちが合流した1998年4月より後の衆院選で当選してきた人たちだ。このクラスの議員を登用していたならば、清新さを打ち出すことができただろうが、野田にはそういう発想はないらしい。

 あまり目立たないが、この政権の弱点は首相官邸の体制にある。例えば、首相補佐官5人のうち、職責に見合った仕事をしているのは手塚仁雄と長島昭久だけだ。残り3人のうち2人は昨年暮れ、私の知り合いの議員に「仕事がない」「何をしてよいか、分からない」とぼやいた。

 こんな状態を放置しておいて、何が「最善最強」か。発言に小さなウソが混ざると、消費増税に「政治生命を懸ける」といくら意気込んでも信用されなくなる。


◇解散・総選挙は「203高地」

 野田と岡田の組み合わせは果たして力を発揮するのだろうか? 2人の発想が似すぎているのが心配だ。

 野田も岡田も、上に「くそ」が付くほど真面目だ。言い換えると、正しいことは必ず実現すると信じている。例えば、消費増税に関する2人の発言は相似している。

 「ネバー、ネバー、ネバー、ネバーギブアップ。私は大義のあることを諦めないでしっかりと伝えていくならば、局面は変わるというふうに確信をしています」(野田の年頭会見)

 「消費増税はやらなければならないことだと確信している。必ずできる。ごまかさずに国民に正面から必要性を訴えていくということに尽きる。国民は必ず理解してくれる」(岡田の就任記者会見)

 2人は消費増税について、説明していけば必ず理解を得られると確信している。その信念は立派であっても、政治家にはずるさや遊びも必要だ。2人にそれが欠けていると思う。

 野田は14日のテレビ番組で衆院解散の可能性を問われ、「それ(社会保障と税の一体改革)ができるかできないかという暁には、いろんな判断があるかもしれない」と述べ、解散に言及した。ある若手議員はこうぼやいた。

 「私たちは、日露戦争の203高地に行く兵士みたいなもんですよ。消費増税という目標に到達する前に死屍累々(ししるいるい)…」

 野田が真面目すぎるが故に、岡田と語らい合ううちに暴走しないか、懸念される。(敬称略)(了)

(2012年1月16日配信)