■ かんわいんちょー(大津秀一)

 

3:08 意識の変化

 人は最後の最後まで意識をはっきりと保つことが難しい。

 時間・場所・人の感覚もだんだん曖昧になってくる。

5:31 身体のだるさ

 身の置き所のない様子。

7:26 食欲不振

 太い血管から濃い点滴をしたとしても

 これで全身状態が改善するということは難しい。

 点滴の量が多すぎるとむくみの原因になったり

 気道でゴロゴロ言うことが増えたりすることにつながる可能性もある。

8:32 痛み

 痛みより、最後の最後になると、

 身の置き所のない感じやせん妄や身体のだるさなどが

 問題になってくることが多い。

9:06 睡眠障害

 体内時計、リズムがだんだん乱されてくるため、

 昼間は寝ているのに夜はけっこう起きていたりなどの

 睡眠障害もかなりの頻度で起きてくる。

10:21 目に関して

 近くでないと見えなくなったりする。

10:46 声のかけ方

 あまり大きな声でかけるとびっくりしてしまい、

 弱った身体には非常につらい場合がある。

 穏やかに話しかけるのが良い。

10:57 耳に関して

 かなり最後のほうまで聞こえていると言われている。

 耳管の調節機能が低下し、よく聞こえなくなることも頻繁にある。

11:37 余命24~48時間

 個人差がある。

 強い息に付随して声漏れが出ることがあるが、

 これは必ずしも苦しさをダイレクトに示しているわけではない。

 顔をしかめていないか、

 身の置き所のない感じで身体を動かしていないかをしっかり見て、

 それらがなければ苦しくないと捉えていい。

 気道分泌亢進

 唾液などの気道で分泌されるものを出すことができなくなるので、

 ゴロゴロゴロという音が聞こえてきたりすることもある。

 これも意識が低下していればそれほどつらくないこともある。

12:54 褥瘡(床ずれ)

 低栄養状態になると褥瘡(床ずれ)ができやすくなる。

13:34 亡くなる日

 血圧が下がってくる。

 橈骨(とうこつ)動脈が触れなくなってくる。

 尿の量が減ってくる。

 チアノーゼがある。

14:38 最後の最後

 顎を上げるような少ない呼吸になってくると

 数分以内に心肺停止の可能性がある。

15:03 死に目に会うことについて

 心停止・呼吸停止を医師が確認する意味の

 死に目に会うことを重要視しているご家族もいらっしゃるが、

 人が亡くなっていくというのは「点」ではない。

 心肺停止の確認の時間にいなかったからといって、

 間に合わなかったと悔やむ必要はない。

 一連のプロセスの時に居合わせてあげることが大切。