ドアミラーの合わせ方、どうやっていますか?

自分なりの調整方法を確立しているでしょうか?

それとも、なんとなく調整しているでしょうか?

ここではバック駐車をやりやすくするためのドアミラーの合わせ方について解説します。

同時に、ドアミラーの見え方についても解説します。

 

1. はじめに

 (1) ドアミラーの見え方は車によってだいぶ違う

 (2) ドアミラーで見える景色には透視投影が起きていることを理解しておく必要がある

 (3) 運転席からの距離の違いにより、右のドアミラーと左のドアミラーでは見える範囲が違う

 (4) きちんとしたミラー調整をするためにはきちんとした運転姿勢が重要

 

2. ドアミラーの調整を行う場所

次の写真のような広い駐車場で、駐車枠の線が遠くまで繋がって見える場所がベスト。

車を駐車枠のど真ん中に停車させて調整を始めます。

この時の右のドアミラーの見え方は次の写真のとおりです。

この時の左のドアミラーの見え方は次の写真のとおりです。

左のドアミラーは上端を右のドアミラーと同じに合わせているので、

右のドアミラーで映っていた下端の横線は左のドアミラーでは見えません。

 

3. ドアミラーの透視投影について

「1. はじめに」でも触れたように、ドアミラーで見える景色には透視投影が起きています。

ドアミラーの外側に映っている線ほど角度が付いており、

全ての線がドアミラーの奥の景色の一点に収束していくように見えます。

この事を理解していれば、

片方のドアミラーだけを見て線に対して車を平行にすると

駐車枠に対して車が傾くことが分かると思います。

 

次の写真のように、右のドアミラーだけを見て車を右の線に平行にすると、

車は右に傾きます。

 

次の写真のように、左のドアミラーだけを見て車を左の線に平行にすると、

車は左に傾きます。

赤丸内の間隔が狭いほど傾きは小さくなります。

駐車枠ギリギリになる車の場合は線にピッタリ合わせればOKなので、

透視投影を考えなくていい分だけ楽ということになります。

駐車枠に余裕のある車の場合は、

右のドアミラーと左のドアミラーの両方を見ながら、

両方が同じような傾きになるように車を動かしていく必要があります。

 

4. ドアミラーの横方向の合わせ方

ボデー側面で基準となる線を自分で探し、その線が顔の中心に向くように合わせます。

 ・ 後方に行くほど絞り込みが強くなる車が多いので、ボデー側面のなるべく前方を基準にしたほうが良い

 ・ リアフェンダーが膨らんでいる車が多いので、そこを含めてしまうと傾く

他でもよく言われているように、

結果的にボデー側面がドアミラーの3分の1くらい映るのではないかと思います。

通常走行時の死角を減らしたい人はここから外側に向けていくと思いますが、

その場合は駐車枠の線が更に角度が付いて見えることになります。

なお、ボデー側面が全く見えないほど外側に向けるのは問題があると思っています。

 

5. ドアミラーの縦方向の合わせ方

次の写真のような見え方にしている方が多いのではないでしょうか?

空と地面がだいたい半分ずつになっています。

 

私が普段運転していて感じるのは、

次の写真のように上向きに合わせている方がかなり多いということです。

これだとバックで駐車する時に駐車枠の線は全く見えないので、

駐車枠に対して真っ直ぐに収めるのは難しくなります。

また、通常走行時でも車体と車線の間隔を確認しにくいので、

例えば右折車線で右に寄れていなかったり、

対向車線にはみ出していても気付かなかったりします。

 

通常走行に支障のない範囲で下に向けるとバック駐車が楽になります。

私の場合は、右のドアミラーで見て、

駐車枠にちょうど収まったところで後ろの線がギリギリ見えるように調整しています。

ただし、この見え方はブレが大きいので、これだけでバックするのは危険です。

また、「1. はじめに」でも触れたように、

車によってドアミラーの見え方が違うので、

全ての車が同じように調整できるわけではありません。

 

6. バック駐車の時の駐車枠の見え方

 (1) 縦方向の見え方

  ① 車が駐車枠に入る直前

この時に右のドアミラーで見える線は次の写真のとおりです。

 

  ② 車の半分が駐車枠に入った時

この時に右のドアミラーで見える線は次の写真のとおりです。

これ以上バックすると線がほとんど見えなくなってしまいます。

ここから傾きを修正するのは難しくなりますので、

駐車をやり直すならこの前までということになります。

つまり、傾きの修正は駐車枠に車体が半分入るまでに終わらせ、

駐車枠に車体が半分入ったらあとは真っすぐに下がるだけにします。

よく一番後ろまで下がった後でやり直しをする人を見かけますが、

車が駐車枠に完全に入ってしまうと他の車からは駐車完了と見なされ、

前を通過しようとする車もいますので、注意が必要です。

 

  ③ 車が駐車枠にちょうど収まった時

この時に右のドアミラーで見える線は次の写真のとおりです。

この車にはバックモニターが付いていないので、

私の場合はこのように見えるように縦方向を合わせています。

 

 (2) 横方向の見え方

「1. はじめに」でも触れたように、

運転席からの距離の違いにより、右のドアミラーと左のドアミラーでは見え方が異なります。

運転席から遠いドアミラーのほうが見える範囲が狭くなります。

駐車枠の中央に車を停車させた時、

右のドアミラーで見えるボデー側面と駐車枠の間隔は次の写真のとおりです。

左のドアミラーで見えるボデー側面と駐車枠の間隔は次の写真のとおりです。

左のドアミラーで見た間隔のほうが狭いのがお分かりいただけるでしょうか?

視点を助手席側に徐々にずらしていけば、

運転席と助手席の間に来た時に同じ間隔に見えるはずです。

 

7. バック駐車がやりにくい車

 (1) 視点が低い車

 (2) ドアが厚い車

 (3) ボデー側面の造形が凝っている車

 (3) 全長が短い車

 (4) 運転席が前寄りではない車

 私の感覚では…、

  ・ 軽自動車は基準にしたいボデー側面の長さが短すぎて傾きやすい

  ・ 軽自動車は駐車枠に対して幅に余裕がありすぎて傾きやすい

  ・ 逆に駐車枠に対してギリギリになるこんな形の車のほうが真っ直ぐにしやすい

  ・ 軽自動車でもこんな形の車は運転席が前寄りにあるので真っ直ぐにしやすい

  ・ こんな形の車は基準にしたいボデー側面が長くて真っ直ぐにしやすい

  ・ 駐車枠が大きければ、こんな形の車こんな形の車は真っ直ぐにしやすい

日野リエッセⅡ(マイクロバス)の右のサイドミラーの見え方は次の写真のとおりです。

 

以上、ドアミラーの合わせ方と見え方についての解説でした。