G20大阪サミット初日の6月28日夜に

大阪城公園内の大阪迎賓館で開かれた夕食会での

安倍晋三総理大臣の挨拶が問題になっているようです。

 

夕食会で、ご機嫌な様子で乾杯の音頭に立った

安倍晋三総理は

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「みなさま、改めまして、ようこそ大阪にいらっしゃいました。

 

ここ大阪は4世紀ごろに仁徳天皇により都に定められ、

その後商業の街として発展してきました。

 

大阪のシンボルである大阪城は

最初に16世紀に築城されました。

 

石垣全体や車列の通った大手門は17世紀初めのものです。

 

150年前の明治維新の混乱で

大阪城の大半は焼失しましたが、

天守閣は今から約90年前に

16世紀のものが忠実に復元されました。

 

しかし一つだけ、大きなミスを犯してしまいました。

エレベーターまでつけてしまいました。

 

その大阪城を間近に臨むこの場所で、

先ほど日本が誇る3名の演者がみなさまのために心を込めて、舞、演奏、そして歌を披露していただきました。」

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などと自慢げに挨拶しました。

 

この挨拶の中の

「一つだけ、大きなミスを犯してしまいました。

エレベーターまでつけてしまいました。」

の部分が問題となっているようです。

 

インターネット上などで

「バリアフリーという概念がないのか」

「全世界に恥をさらした」

などと反発が広がっているようです。

 

安倍晋三総理大臣の絶対的庇護者の菅義偉官房長官は

今日2日午前の閣議後会見で

「あいさつを読めば、まったく問題ない発言だと分かると思う」

「大阪城の歴史的価値と復元の経緯に触れたものであり、

批判されるような問題ではないと思う」

と述べたそうです。

 

菅義偉官房長官お得意の強弁作戦です。

無理筋でも言い張って、言い切って後は無視します。

 

でも、挨拶を読めば読むほど

問題の深刻さが分かってきます。

 

たとえ

「大阪城の歴史的価値と復元の経緯に触れたもの」

のつもりであっても、一国の総理大臣の発言ですから

「批判されるような問題」となるのです。

 

この発言に

安倍晋三総理大臣の浅はかさや無責任さが

現れています。

 

一国の最高責任者は

ありとあらゆるところでの発言について

この国のありとあらゆることを配慮して発言すべきで

特に人権に係る事には慎重であるべきです。

国の最高責任者なのですから。

 

更に、酷いのは菅義偉官房長官の

「大阪城の歴史的価値と復元の経緯に触れたもの」

と言う発言で

安倍晋三総理大臣の発言内容は

事実に反しているものだったのです。

 

そもそも今の大阪城は

戦前の1931年に完成した鉄筋コンクリート造り8階建てで

エレベーターはその当時から設置されていたそうです。

 

16世紀に築城された大阪城が

鉄筋コンクリート造りの訳がないので

この時点で

歴史的価値もなければ、復元されたものでもありません。

 

今の大阪城が鉄筋コンクリート造りなのは

周知の事実なので

安倍晋三総理大臣は

そんな常識も持ち合わせていないことになります。

 

知っていて言ったのであれば、

安倍晋三総理大臣お得意の質の悪い虚偽発言です。

 

また、16世紀当時の具体的な資料が残っているわけがなく

「復元」された大阪城は

16世紀の「大坂夏の陣図屏風」に描かれた

豊臣時代の天守閣を参考に

「復元」当時の建築家がそれっぽく設計したもので

屏風絵にも忠実なものでもないのです。

 

現在の大阪城が経っている場所も

16世紀当時に築城された位置とは

異なっていることが分かっていますし

壁の色や破風と言う屋根部分の大きさ、形状が

「大坂夏の陣図屏風」のものとは

全く違うものになっています。

 

現在の大阪城は、「城」などではなく

「大阪城」と名付けられた鉄筋コンクリート造り8階建ての

城風建物に過ぎないのです。

 

だから、エレベーターが設置されていても

何の問題もありません、どころか

あってしかるべきなのです。

 

と言うように、安倍晋三総理大臣は

国際的な重要なはずの会合の場で

嘘八百を自慢げに放ってしまうのです。

 

「恥ずかしい国、日本」です。