角栄本ブーム | 若狭勝オフィシャルブログ「法律家(Lawyer)、議員(Legislator)、そのL字路交差点に立って」Powered by Ameba

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街中の書店へ行くと、田中角栄元総理について書かれた、
いわゆる角栄本が平積みされていて、元都知事の石原慎太郎さんも、
近刊を出され、ちょっとした角栄本ブームのようです。

言うまでもなく、角栄元総理は、ロッキード事件で有罪判決を受け、
その上告中に刑事被告人のまま亡くなっており、その人物評価には
様々なものがありますが、純粋に政治的な決断力・実行力については、
感嘆すべきものがあったと言われれいますし、実際、そうだと思います。

例えば、以前にブログで書いた肢体不自由児のための養護施設
「ねむの木」学園を主宰する宮城まり子さんは、彼らが金銭的な面で
高校への進学が難しい状況を打破するため、電話をかけて、時の
角栄総理に会いに行き、状況改善を図ったというエピソードがあります。

多忙な総理でしたが、彼女との短時間の面談の中で、
訴える内容の必要性を感じ取り、法改正や予算付けをし、
短期間のうちに肢体不自由児たちの進学の道を広げました。
これは、まさに政治判断の結果、実現できたことだと思います。

他方で、そうした政策を採用し、予算を確保できたのは、
現在のような厳しい財政状況ではなかったからだとも言えます。
もし日本の財政規律が世界各国から注視されてる現在のような状況下だったら、
はたして角栄総理が果断な政治手腕を発揮できたかは、疑問もあると思います。

やはり、政策の選択肢を増やすという意味でも、
財政状況は不断に健全化を目指すべきだと言えます。