初心忘るべからず | 若狭勝オフィシャルブログ「法律家(Lawyer)、議員(Legislator)、そのL字路交差点に立って」Powered by Ameba

若狭勝オフィシャルブログ「法律家(Lawyer)、議員(Legislator)、そのL字路交差点に立って」Powered by Ameba

若狭勝オフィシャルブログ「法律家(Lawyer)、議員(Legislator)、そのL字路交差点に立って」Powered by Ameba

4月初旬のこの時期は、入社式や入学式が
行われている所も多いものと思われます。
こうした新人を迎え入れる際の式辞などでは、
しばしば「初心忘るべからず」という戒めの言葉が引用されます。

能楽の世阿弥が『花鏡』で述べているこの言葉は、
一般に、「初志貫徹」と同じ意味のように解されたり、
仕事に慣れても慢心せずに謙虚な気持ちを忘れてはいけない、
という意味で使われていたりすることが多いようですが、
実は、それほど単純なものではないようです。

詳細な解説は専門家に譲りたいと思いますが、
未熟であった頃の自分のみっともない姿を忘れてはならないとか、
仕事に熟練してきても、まだ未熟な部分は残されているのだから、
更に修行を積まなければならない、というのが本当の意味のようです。

予算審議が終わり、一般法案の審議へ舞台を移す4月を迎えるのは、
私にとっては、国会議員になって2度目の経験です。
たから、「去年と同じ手順でやっておけば、これは間違いないな」とか、
「これは昨年と同じだから、ほどほどにしておけば足りるな」などと
安易に考えず、初心を忘れずに議員としての務めを果たしたいと思います。

希代の能楽師は、「初心忘るべからず」という言葉に続けて、
「命に終わりあり。能には果てあるべからず」と述べております。

もちろん、能の奥義など、私には手の届かない所のものですが、
能楽以外の事柄にもあてはまるこの言葉にはしびれてしまいます。
還暦を迎えようとする私ですが、更に研鑽を積んでまいる所存です。