今年で25周年を迎えた「わかさ生活」の社長 角谷が、従業員に話してくれる「豊かな心」になる話を毎週紹介しています!

 

「お客さまは神さまです」という言葉は、今でも耳にすることがあるのではないでしょうか

 

 

お客さまに対する心構えとしては良いと思います。

 

 

しかし、この言葉通りに解釈をしてしまうと、かえってお客さまとの関係性を壊してしまうことになりかねません。

 

 

本当に良い関係をもたらすのは、お客さまを神さまとして持ち上げるのではなく『お客さまとパートナーになる』ことです。

 

 

商品をご愛用いただいているお客さまを招いたイベント「感謝祭」を行なった時のことです。

 

 

わたしは、ご来場の数百人のお客さまの前で講演をすることになっていました。

 

 

すでに会場にはズラっと椅子が並べられ、たくさんの人が着席していました。

 

 

講演が始まってふと見ると、最前列に腕組みをして大きく足を組んで、上品とは言えない態度でまわりの人に大声で話しかけている人がいました。

 

 

何度スタッフが注意をしても、「何が悪いんだ」「私はここの商品をたくさん買っているんだ」と言って、態度を改めてくれません。

 

 

まわりの人は気まずそうにして、不愉快だと言わんばかりの目でその人のことを見ていました。

 

 

こういうとき、相手を「神さま」だと考えていては、どうすることもできません。

 

 

しかし、「パートナー」として考えてみると、対応の仕方が見えてきます。

 

 

例えば、みなさんのパートナーと言える家族や友人、会社の同僚が、周囲に迷惑をかけるようなことをしていたらどうしますか?

 

 

わたしはその人に「どうしてそのような態度をとるのですか?」と尋ねました。

 

 

そして「今日は、わたしの話を聞きたいと思ってくれたみなさんが集まっています。話を聞くわけでもなく、他の方の邪魔をするのであれば、お帰りください」と伝えました。

 

 

下からでも、上からでもなく、対等な相手として、わたしの素直な気持ちを伝えたのです。

 

 

その方はバツが悪そうに席を立ちその日は帰っていきましたが、その出来事以降も商品の購入をやめるようなことはされませんでした。

 

 

わたしは、すべてのお客さまは平等だと思っていますし、一人の人として尊重しています。

 

 

商品を買ってくれるから大事にしようということではありません。

 

 

そのような考えだと、たくさん買ってくれる人を丁重に扱い、そうでない人をそれなりに扱うようになってしまうからです。

 

 

相手を無意識にランク付けしてしまうのです。

 

 

他のお客さまに迷惑がかかるようであれば、たとえお得意さまだとしても、言うべきことは言うべきだと思っています。

 

 

それは『お客さまはパートナー』だと考えているからこそです。

 

 

相手を神さま扱いするのは、敬っているようで実は遠ざけているのではないでしょうか。

 

 

お客さまのことを大切に思い、良い関係を続けるためには、互いにパートナーとなることが必要なのです。