「炭」と聞いて思い浮かべるのは

BBQと関連付ける方が多いのではないでしょうか?

 

その他には、焼き鳥の炭とか、うなぎの蒲焼きの備長炭とか

おいしいものと結びついているイメージです。

ガスや電気が普及する前は、薪や炭を使って火をおこしていました。

茶の湯・茶道においても、炭を使って釜を沸かしています。

 

茶の湯や茶道の炭は、備長炭ではなく「菊炭」を使います。

聞きなれない言葉ですが、炭の断面が菊の花のように美しいので

そのような通称がついています。

元はクヌギなどの木を伐りだして、炭職人が時間と労力をかけて

丁寧に作っていきます。

 

最近のアウトドアの普及により、外国産の炭が安く

ホームセンターで売られていますが、それとはまったく

違います。

 

まず、アウトドアで使うものは、火が付きやすく、火力が

強ければ材料が焼けるのでそれに適したものを使います。

また、外で使うことが前提ですので、煙が出たり、

一酸化炭素中毒の危険性も考えなくてよいと思われます。

また、暖をとるための薪は火を長く保つために使います。

 

ところが、茶の湯においては、釜の湯を沸かすのが

目的です。

必要以上に火力が強ければ釜を痛める原因となります。

また、火が長く持たないと、4時間以上に及ぶ、茶事に

おいては、点前の途中で火が消えることにもつながります。

また、室内で使うことが前提ですので、一酸化炭素中毒を

起さないこと、はぜることが少ないことが前提です。

 

そのうえ、手前において炭の美しさを鑑賞することになります。

茶の湯においてよい炭というのは、程よい火力で且つ

美しくなければならないのです。

 

電熱を使うこともお稽古では多くなっていると思いますが

沸きすぎたり、火力の調整がかえって難しいと感じます。

ですから、外国産の炭では適さないのです。

 

茶道の衰退とともに、炭職人さんも非常に少なくなってきました。

よい炭を使って、良いお茶事を行いたいものです。

 

※ご紹介させていただいたのは、マル鈴さんの炭になります。

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