年周運動

「冬の夕方にオリオン座はどの方角に見える?」
「夏の真夜中に、西の空に見える星座は何?」
「春、しし座が南の空に見えるのは何時ごろ?」

この手の問題を解くのは難しいですよね。

太陽の周りを公転している地球と、
その周りに各季節の星座が書かれている図が
一般的に使われていますが、
それを見ても、なかなか理解できません。

どうやら、「地図を読む力」が必要なようです。
空間認識能力というみたいですが、
この力が弱いと、
向きが変わった時の方角が
イメージしにくいようです。

地球の自転や公転による
方角の変化をみる教材は、
今までにも素晴らしいものが
たくさん開発されています。

しかし、
どれも大がかりな模型だったり、
小さくても簡単に持ち運びできなかったり、
ひとつ作るのに時間や費用が
多くかかってしまったり、
という欠点もありました。

そこで、他の良さは多少犠牲にしても、
一人一台、ノートに貼れて、
いつでも使える教材を
考えてみました。

今回の教材は、今までと違って、
紙だけを使うのではなく、
透明なシートも使います。

使い方は簡単です。
太陽の位置と日本の位置を回すだけです。
真ん中の大きな円が地球を表しています。

太陽の位置は、
赤い矢印が描かれている
外側の円盤を回して表現します。
そうするとその動きに連動して
地球の昼と夜に色分けした部分も回ります。
写真では、右側(さそり座側)に太陽があって、
地球の右半分(黄色の部分)が昼を表しています。

日本の位置は、
日本と方角が描かれている
内側の透明な円盤を
回して表現します。
北極側から見た図なので、
基本的には左回りに使います。
写真では、ちょうど正午の位置に
日本があります。

例えば、写真の状態では、
「季節は冬、時間は昼、
 (明るくて見えないけど)
 さそり座が南にある。」
ということがわかります。
このまま、左回りに90度回すと、
「夕方、東の空にオリオン座が見える。」
こともわかります。

使いこなすのには、
少し慣れも必要ですが、
日周運動、年周運動などで使えます。

工作も簡単です。
3つの部品を組み合わせるだけです。

透明なシートで作った小さい円盤が1枚、
紙で作った大きな円盤が1枚、
紙で作った円盤を挟み込む土台が1枚です。