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【本文】
家に到りて、門に入るに、月明かければ、いとよく有様見ゆ。
聞きしよりもまして、いふかひなくぞ、こぼれ破れたる。
家にあづけたりつる人の心も、荒れたるなりけり。
中垣にこそあれ、一つ家のやうなれば、望みてあづかれるなり。
さるは、たよりごとに物も絶えず得させたり。
今宵、「かかること」と、声高にものもいはせず。
いとはつらく見ゆれど、志はせむとす。
【しじまにこオリジナル「和歌コード」的翻訳】
家に到着して、門のところから入ると、月が明るく照らされて、
家の様子がよく見える。
家は、聞いていたのよりもずっと、
言いようもなく、壊れてぼろぼろになっている。
この家に預けていた人の心も(家と同じくらいに)荒れていたのだろう。
(家の荒れ具合で住んでいた人の心がわかるものだ。)
中垣はあるが、隣の家とはつながっていて、
一つの家のような構造だったので、
隣人が希望して預かってくれたのである。
しかし、家を預かってもらうというので、
色々な品物も絶えず届けていた。
今夜、この家の様子を見て
「こんなにひどいことになって…」と、声高に文句を言わせたりはすまい。
かなり辛いけれど、お礼はしようと思う。
【古語の意味】
【補足】
⭐️✨⭐️次回へつづく…⭐️✨⭐️