題しらず

よみ人しらず

いかならむ巌の中にすまばかは世のうきことのきこえこざらむ

 

〈古今和歌集  巻第十八   雑歌下       951〉

 

 

++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++

 

いったいどれほどの岩山の中に分け入って住んだら、

この憂き世のことが聞こえてこないのだろうか。

そんなこと有りそうもないよ。

 

+++++++++++++++++++++++++++++

 

 

 

 

 

□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□

 

 

(※『和歌コード』とは、直訳では出てこない言葉の裏に隠された解釈のこと。

この和歌に込められた作者の意図をより深く読み取った

しじまにこのオリジナル訳です。)

 

題詞;先の歌から続いています。

 

作者;私の名は伏せておきます。

 

 

どうだろうか。

 

高くそびえ立った大きな岩を家として

 

その中に住めば、

 

世間の嫌なことが聞こえてこなくなるだろうか。

 

(いや、聞こえてくるだろうね)

 

 

 

□□□□□□□【和歌コード訳の解説】□□□□□□□

 

隠棲することについて

会話が続いています。

 

 

いかならむ;どうだろうか

いはほ;高くそびえ立った大きな岩

いは;岩。家

かは;~だろうか。

うし;つらい