題しらず

つらゆき

秋の野にみだれて咲ける花の色のちくさにものを思ふころかな

 

〈古今和歌集  巻第十二   恋歌二    583〉

 

 

++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++

 

秋の野に色とりどりに乱れて咲いている花の色のように、

あれやこれやとさまざまに物思いにふける

今日このごろであるよ。

 

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□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□

 

 

(※『和歌コード』とは、直訳では出てこない言葉の裏に隠された解釈のこと。

この和歌に込められた作者の意図をより深く読み取った

しじまにこのオリジナル訳です。)

 

題詞;重大なこと(光孝天皇が亡くなられ、菩薩となられたこと)を詠む

 

作者;紀貫之

 

 

光孝天皇が亡くなられた秋の日(887年8月26日)。

 

秋の野にバラバラに咲く花の色が見える。

 

人々は心が平静でなくなり、混乱しながら

 

火葬場に多くの花を手向けている。

 

皆、身体もだるそうで、涙を滴らせている。

 

天国に逝かれる天皇に花を捧げ、別れを告げているのです。

 

手向ける花の色も人々の様子も様々であり、

 

女性も子どもも皆それぞれ物思いにふけっています。

 

その様子を見て私も複雑な気持ちになり、

 

思い悩んでいるのです。

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□【和歌コード訳の解説】□□□□□□□

 

この歌も秋に亡くなった光孝天皇のこと、

花を手向ける人々の様子を詠んでいます。

 

だいし;菩薩

だいじ;重大なこと

あき;7月から9月

あき;官職、空間に空きができる

の;火葬場

みだる;心が平静でなくなる。混乱させる。乱す

み;身

たる;垂れ下がる。したたる

だる;だるくなる

さく;遠くへやる。切れて分かれる

はな;華やかなこと

はなる;遠ざかる。離れる

いろ;母が同じの意

いろ;喪服。顔色

ちくさ;様々であること。色々であること

ものおもふ;物思いにふける。思い悩む

もの;事情

ころ;女性や子ども