かみやがは

つらゆき

うばたまのわが黒髪やかはるらむ鏡の影に降れる白雪

 

〈古今和歌集  巻第十  物名    460〉

 

 

++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++

 

私の黒髪がこんなに変わっているのだろうか。

鏡に映っている姿に白雪が降っているよ。

 

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□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□

 

 

(※『和歌コード』とは、直訳では出てこない言葉の裏に隠された解釈のこと。

この和歌に込められた作者の意図をより深く読み取った

しじまにこのオリジナル訳です。)

 

題詞;黒かった髪が白く変わるほど思い悩み、泣いている人のことを詠む

 

作者;紀貫之

 

 

 

陽成天皇は命の拠り所であった皇位を強引に奪われ、

 

天皇は別の人物に変えられた。

 

あなた(陽成天皇の母、藤原高子)の美しかった黒髪も

 

変わってしまったのだね。

 

鏡に映るあなたは大粒の涙を流している。

 

そのやつれた姿に白雪が降り積もるように

 

白髪が乱れていますよ。

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□【和歌コード訳の解説】□□□□□□□

 

藤原高子と基経きょうだいの不仲により、

陽成天皇は強引に皇位を奪われ、二度と復位することは

できませんでした。

この歌も、

陽成天皇と母、藤原高子の苦悩が描かれています。

 

かみ;髪。天皇

かは;川。泣いている

かはる;異なる

うば;老女

うばふ;強引に奪い取る

たま;宝物。魂。命

らむ;~とかいう。~ような

かげ;やつれた姿

ふる;泣いている。雪が降る

白雪;白髪。大粒の涙