人を別れける時によみける

つらゆき

別れてふことは色にもあらなくに心にしみてわびしかるらむ

 

〈古今和歌集  巻第八  離別歌    381〉

 

 

++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++

 

別れということは「色」でもないのに、

どうして「色」がしみこむように心にしみて

つらいのであろうか。

 

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□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□

 

 

(※『和歌コード』とは、直訳では出てこない言葉の裏に隠された解釈のこと。

この和歌に込められた作者の意図をより深く読み取った

しじまにこのオリジナル訳です。)

 

題詞;ある人と死別した時に詠んだ歌

 

作者;紀貫之

 

 

「別れ」という言葉には色が付いていません。

 

しかもあなたと私は、母が同じではない(親戚でもない)のに、

 

心のひだに色が染み込むように

 

私の心を凍らせています。

 

あなたが亡くなったことが、どうしてこんなに

 

心に深く染み入ってやりきれなく苦しいのだろう。

 

心の中があなたとのお別れをにじませる

 

暗い色で一杯になっています。

 

 

□□□□□□□【和歌コード訳の解説】□□□□□□□

 

わかれ;死別

てふ;~という

ことば;言葉。

こと;儀式。仏事

こと;違うもの

いろ;母が同じである意

いろ;色彩

あらなくに;ないのに

こころ;心。気持ち

しむ;染まる。心にしみる

しむ;凍りつく

わびし;つらい。やりきれない。苦しい

らむ;どうして~なのだろう。