陸奥国へまかりける人によみてつかはしける

つらゆき

白雲の八重にかさなるをちにても思はむ人に心へだつな

 

〈古今和歌集  巻第八  離別歌    380〉

 

 

++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++

 

白雲が幾重にも重なる遠い国においでになっても、

あなたを思う私に対して、心隔てをなさらないでください。

 

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□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□

 

 

(※『和歌コード』とは、直訳では出てこない言葉の裏に隠された解釈のこと。

この和歌に込められた作者の意図をより深く読み取った

しじまにこのオリジナル訳です。)

 

題詞;陸奥に離れて住んでいた年老いた男が亡くなった。

白い雲が満ちているという未知の国(天国)に

逝った男に歌をよみ、人に託して持って行ってもらった

 

作者;紀貫之

 

 

あなたは何度も旅に出て、遠いところに

 

おられましたね。

 

この度は、年老いて亡くなられたのですが、

 

白い雲が何重にも重なるという

 

遥か遠い天国世界に逝かれても、

 

あなたのことを想っていますよ。

 

あなたもどうぞ居る場所は隔たっていても

 

心は隔てることなく、私たちを思い出し、

 

心の中でいつも共にいてください。

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□【和歌コード訳の解説】□□□□□□□

 

みちのくに;未知の国

みち;満ちる

まかる;亡くなる

くも;心の憂い

やへ;幾重にも重なっていること

かさなる;同じ物事が繰り返させる。度重なる

をち;遠方。向こう

をぢ;老いた男

おもふ;愛しく思う。懐かしく思う

へだつ;へだたる。間を離す