友の東へまかりける時によめる

よしみねのひでをか

白雲のこなたかなたに立ちわかれ心をぬさとくだく旅かな

 

〈古今和歌集  巻第八  離別歌    379〉

 

 

++++【古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳】++++

 

白雲があちらへこちらへと別れて流れてゆく、

その様はなるで別れの祈願にまく幣のよう。

ほんとうに別れにあたって、私の心をこの幣のように

こなごなになるまで苦しめる旅立ちでありますよ。

 

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□□□□□□□【和歌コードで読み解いた新訳】□□□□□□□

 

 

(※『和歌コード』とは、直訳では出てこない言葉の裏に隠された解釈のこと。

この和歌に込められた作者の意図をより深く読み取った

しじまにこのオリジナル訳です。)

 

題詞;友人の連れ合いが亡くなった時に詠んだ歌

 

作者;良岑秀崇

 

 

火葬の白い煙が、白雲のように空高く、

 

あちらこちらに立ち昇っていく。

 

まるで、この世と別れて天国に旅立つかのようだ。

 

亡くなったあなたのことを大事に思うこの気持ちを

 

天国に旅立つ際の贈り物とします。

 

心が粉々に砕けるほど苦しい火葬の時だよ。

 

 

 

 

□□□□□□□【和歌コード訳の解説】□□□□□□□

 

「友のあづま」は、「友人のつま」と読めば、

友人の連れあい(夫か妻)の意味となります。

「まかる」には、「亡くなる」という意味があります。

 

とも;友人。仲間

まかる;死ぬ

あづま;私+つま(夫または妻)

つまり;果て

しらくも;火葬の煙

くも;心が晴れないこと。心の憂い

たちわかる;別れてゆく

たつ;旅立つ

たつ;断ち切る

こころ;愛情。思いやり

ぬさ;旅立ちの時の贈り物

くだく;壊す。砕ける。心を痛める

だび;火葬