世の中のはかなきことを思ひける折に、菊の花を見てよめる
つらゆき
秋の菊にほふかぎりはかざしてむ花よりさきとしらぬわが身を
〈古今和歌集 巻第五 秋歌下 276〉
◇◇◇◇◇【日本古典文学全集(小学館)の訳】◇◇◇◇◇
人生の無常を感じていた時に、菊の花を見て詠んだ歌
紀貫之
この菊の花が美しく咲いている間は、挿頭にさして、
気分を紛らすこととしよう。
どうせ、花の散るのより
ひと足先に死ぬかもしれないわが身だもの。
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⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘【和歌コードで読み解いた新訳】⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘
(※『和歌コード』とは、直訳では出てこない言葉の裏に隠された解釈のこと。
この和歌に込められた作者の意図をより深く読み取った
しじまにこのオリジナル訳です。)
題詞;この世の中はなかなか思い通りにならないものである、
ということを考えていた時に、
菊の花(天皇家の象徴)を見て詠んだ歌
作者;紀貫之
天皇の椅子に空きができた時、
恩恵が及ぶかぎりは必ず出しゃばってくるでろう
人物が絶対にいるものだ。
だから、宇多天皇はもう、自分が皇位を離れるのに先立って
次の天皇を醍醐天皇に決めていたのだが、
世間に知らせていなかったのだ。
⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘【和歌コード訳の解説】⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘
テーマは続いています。
世の中;現世。天皇の治世。身の上。境遇
はかなし;思い通りにならない。 未熟だ
きく;天皇家の象徴。
きく;うまく働く。役に立つ。技能が巧みである。上手である。優れている。
きく;聞いて知る。聞き入れる。問う。味や香りを試す。吟味する。
はな;華やか。放つ。離れる。鼻水
あき;官職に空きができる。飽きる。呆然とする
にほふ;恩恵が及ぶ
かぎり;間。うち
かざす;冠や髪に花を挿す。健康長寿の祈り
さして;出過ぎたことをすること。でしゃばり
てむ;きっと~にちがいない
よる;接近する。訪れる。頼る
さき;前
しる;世間に知られている
わ;日本
かみ;天皇