本日は、お日柄もよく 原田マハ
金色の帯
本屋さんでこの本を取ったのは目立っていたからだ。
初版にはついてなかったであろうこの帯に目が留まった。
泣けるスピーチ本 言葉の力を信じて
そこまで信じてはいなかった。
しかし、読み始めて30ページに至る前に
目に涙が潤んで文字が見えなくなっていた。
涙を誘うような話だったのは間違いなかった。
でも、それ以上に文が、言葉が綺麗だった。
作中で何度目頭が熱くなったことか。
それもすべて、スピーチの中で
ひと文字も読み飛ばせなかった。
ちょうどタイムリーな話もあった。
6月1日、バラクオバマ前米大統領が
黒人差別問題についてツイッターに考えを記した。
"to make this moment a real turning point to bring about real change-"(一部抜粋)
「今この時を、真の変化をもたらすための本当の転換点にするために」
この小説でもキーワードともいえる"change"。
そして、現在の日本の政治。
多くの国民はまさに心を揺さぶるような言葉を待っているのではないか。
私は、いや、私たち国民は、言葉を待っている。
思わず動きたくなるような、
動かずにはいられなくなるような、そんな言葉を。