おばあちゃん、ごめんなさい
どうしても謝りたくて。
おばあちゃんがいつもいる居間に行くと、なんか臭いの。
生ごみとかじゃなくて̪おシモ系。
「なんだかちょっと臭うからズボン履き替えてね」って
おばあちゃんのプライドをなるだけ傷つけないよう言ったけど。
「私じゃないっ」って拗ねちゃって黙り込む。
ま、こういうのはいつものことなんだけど。
目や耳だけじゃなく、年齢的に鼻も鈍くなってるから
普段からどうしても気付かないのよ。
それでもどうしても納得のいかないおばあちゃんは、
「あの時ああしたし、私じゃない」
「昨日こうしたし、私じゃない」
といろいろ言うけど、これもいつものことだから
「はいはい、後で着替えてね」って流してたの。
でも、なんだか今日は違う。
部屋をウロウロしてみても、おばあちゃんの周りより
まごの周りが臭い。
えっっ!まご??
さっきカメムシ退治したから連れてきちゃった?
でも臭さが違う・・
もしかして、まご??
一瞬のうちにいろいろ考えちゃったよ。
まご、ギリギリまだ40代なんだけど・・・
その後もクンクンしながら部屋をウロウロしてみて、
犯人はまさかの飾っていた「香りの強い花」でした。
その花瓶の花たちも先にクンクンしてたんだけど、犯人の花をピンポイントでクンクンしないと気付かなかったみたい。
ほんと、おばあちゃんごめんなさい
でも、本当のことを正直に話すと、今後臭いがしたときに
「私じゃない」が強くなるので、花の香りだったことは
おばあちゃんには言わず、冤罪を負ってもらいます
本当にごめんなさい。
直接言えないので、ここで懺悔させてください。
まごは優しい人だとよく勘違いをされるのですが、残念ながら
こんな人間です。
期待を裏切って申し訳ないですが、騙されてはいけませんよ。