〈②突然感じた恐怖〉
2017年2月末日
会社に病気の話をした翌日、
これからお世話になる総合病院へ向かいました。
手術の日時がいつになるかも気になりましたが、
最大の楽しみは、
どんな先生なのか
ということでした
以前一緒に働いていた二人の同病の先輩が、
口を揃えて、
明るくて前向きで元気をもらえるよ!
安心できるから!
と言っていたので、ワクワクドキドキ
まるで新学期に担任の先生と初対面する気分。
呼ばれて診察室に入って一目お顔を見て、
あぁ~ホントだ〜
顔だけで判断するのもどうかと思いますが、
なぜかとても安心できたのです。
そして、私のしこりを触診しながら、
「こんなに小さいのをよく見つけたね〜!どうやって見つけたの?」
と。
先生に褒められた〜
まるで小学生並に嬉しかったです。
そして、クリニックで撮ったエコーの画像を見ながら、
どうして乳がんと判断できるか、や、
病気の説明、今後の治療計画などを、
図を描いたりしながらわかりやすく優しく説明してくださいました。
この先生なら安心してお任せできる〜
事前にいろいろ教えてくれた先輩方に、
心の中で感謝しました。
何か不安なことやわからないことはないか聞かれ、
・高齢の両親、特に心配性で心臓が弱い母に、どう伝えたらいいか悩んでいること
・告知されてから夜なかなか眠れないこと
を伝えました。
母への件は、
「2週間後に術前検査をするけど、その日検査の後、ご家族へお話したいから、その時に一緒に聞いてもらえばいいよ。」と。
ホッとしました。
先生からの話なら、母も落ちついて聞くだろうと。
しかも、この先生ならわかりやすく上手に説明して下さって安心させてくれるだろうと。
不眠に関しては、睡眠導入剤を、
吐き気に関しても、不安感を和らげるデパスを
出してもらえました。
「次はじゃあ検査の日にねー!」とニコニコしている先生を見て、それまで手術という恐ろしいイベントに緊張していましたが、ふっと心がほぐれて、手術もそんなに怖くないような気がしてきました
診察室を出ると、若い看護師さんが「今後の説明をしますので、こちらへ」と言って、奥の小部屋へ案内されました。
椅子に腰掛け、話が始まるのを待っていたのですが、
なかなか看護師さんが説明を始めず、私のそばにひざまずくような形で、
「何か不安なことや気になることはないですか。どんなことでもいいですよ。」
と。
私は、看護師さんの時間が気になって仕方ありませんでした。
私への説明で時間をとったら、先輩に怒られるんじゃないの?早くぱっぱっと計画説明してもらって、次の方のところに行ってもらわないとと、なぜか焦りを感じていました。
でも、看護師さん、優しいお顔で、私のそばでゆったり待っていらっしゃるので、
「そうですね。。さっき先生にもお話したように、高齢で心配性の母に、なんと言っていいか。。親からもらった体に傷をつけることにもなって、悪いなぁと。。。」
と言ったら、
「そんなことないですよ!そんな風に考えなくていいですよ。わかめさんの責任ではないのですから。」
優しいことを言ってくださるので、まだ時間大丈夫なのかなぁと気になりながらも、
「それと、遠方で一人暮らししている娘にも、どんな風に話そうかと…」
と話しながら急に、一人で追っかけしながら頑張って生活している娘を思い、こんな病気になって心配させるかも、ごめんねという思いが募ってきて、涙がボロボロこぼれてしまいました。
おおっ!なんで泣いてるんだ?
いかんいかん、人前で、しかもこんな若い子の前で泣くなんてと思い、
「すみません、ちょっと涙腺がゆるくて…」
と言ってハンカチで涙を押さえながら、ふと看護師さんを見ると、
看護師さんも涙をぽろぽろこぼしながら、手で拭っていました…
なんと優しい純粋なナースなんでしょう。
まだ若い方、もしかして自分の親と重ね合わせて聞いてくださったのかなと思いました。
で、ふと、
これ、すごいサービスだなぁ。
がん患者になると、こんなサービスがついてくるのか?
話を聞いてくれて、一緒に涙してくださる。(いや、看護師さんの涙は演出ではないです!)
なんか、一気に大きなバックがついた気にもなり、
もしかしたら、病院では「がん患者」というだけで大切にされるのかも
なんてことを考えながら、乳腺外科を後にしました。
会計を済ませ、何気なく手元の診療明細書を見てびっくり
「患者カウンセリング料:500点」
あれ、有料のカウンセリングだったのか???
ならば、看護師さんの時間など気にせず、もっといろいろ遠慮なく聞けばよかった〜
まぁそれにしても、結構な値段とるんですね。
1点=10円と聞いたのですが、5,000円だったのかと。
3割負担で1,500円。
まぁいっか〜
優しい看護師さんに免じて、OKとしよう!
結局その日は、診察の前に
・エコー
・採血
をしました。
他に必要な検査は、すべてまとめて2週間後。
病院を出て、会社に向かう途中で夫に日程のみメール。
説明の日、仕事休めるかなぁ。。。
会社にも、入院が3月の連休明け、手術がその翌日に決まったことを報告。
とりあえず、入院前の連休の前までの出勤ということになりました。
その後については、また状況に応じて考えましょうと言われました。
この日は、治療計画や予定を聞くだけと思っていたので、
一人で病院に行きました。
でも、その前の日に、付き合いの長いママ友から
「一緒に付いて行こうか?付き添うよ」
と連絡がありました。
この言葉がとっても嬉しくてありがたくて、ホッとしたのを覚えています。
今回は特に何かの結果を聞くわけではなかったので、
大丈夫だよーと遠慮したのですが、
待合室で一人待っている時、なぜかとても心細くなって、
友達についてきてもらえばよかったかなぁ…と思いました。
どうしても、遠慮してしまったり、
人に甘えるのが苦手なので、つい頑張ってしまうのですが、
こういう時は、そばに誰かがいるだけで、
心が落ち着くのかも、と思いました。
これからは、友達同士で病院の付き添いが気楽にできるようになりたいなぁと思います
〈④親へ伝える(少しだけ)〉