住所や氏名などの個人情報を、全国の地方自治体が専用回線で共有する住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が、25日午前9時から本格稼働(二次稼働)した。2002年8月からの一次稼働で、住基ネットを使った国や自治体による本人確認が既にスタートしているが、二次稼働で市区町村同士の情報交換も始まった。
 これにより、全国どこでも住民票の写しが取得できるようになる。片山虎之助総務相は午前10時すぎ、東京都文京区役所の戸籍住民課を訪れ、若松謙維総務副大臣(公明党)とそろって住民票の広域交付を申請した。数分で手続きが終わり、煙山力区長から同区の広域交付第1号の住民票写しを受け取ると、記者団に「いちいち岡山に帰って市役所に行くより、大変便利になった」と感想を述べた。
 また、希望者にICチップ内蔵の住民基本台帳カード(住基カード)が交付され、自治体独自のサービスが利用できる。
 しかし、個人情報漏えいに対する住民、自治体の懸念は根強く、福島県矢祭町、東京都国立市が不参加を継続。区民選択制を掲げる東京都杉並区が当面参加しないなど、計6市区町のデータは不完全なまま。長野県は独自のシステムづくりを模索中だ。