10月15日(日)、第7回目となる若松事務所企画の海外視察が、今回はインドにて行われた。BRIKsと呼ばれる人口大国への関心が強まる中、我が国とインドの今後の関係がどうなるか等を推察するため、10億人以上の人口を有し、20~30年後には中国を抜き、世界一の人口大国となるインドに入国したのは、10月15日午後5時過ぎであった。
毎回参加していただく同行の顧問先の経営者3人と共に、直ちに、デリー市内にある日本大使館を訪問し、4年前、南アフリカで大使であった榎大使と再会でき、多くの貴重な情報を頂いた。

翌日の16日(月)早朝、早速、デリーから200km離れたアグラへ車で移動し、4時間強の車中からのインド視察が始まった。写真は、幹線道路で走行中の際、偶然、隣あわせしたトラクター搭乗者を取ったものである。(写真)良いシャッターができなかったが、この道中、まさに人口大国の喧騒がいたるところで見られ、大型乗り合いバスの屋根に30人以上の乗客が乗っていたり、動物も人間と同じ宇宙・自然界の同じ生命体意識を持つヒンズー教の考え方からか、幹線道路内で歩く牛を避けながら運転しながら、反対車線を走るべき車が、ガソリン消費を惜しみ、リスク覚悟でこちらの車線に入って、あわや衝突寸前の運転さばきに感心し、牛のほうが、人間よりマナーが良いと感心したり、新発見の連続でした。20061019091357.jpg

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私は、今まで、34カ国訪問し、特に、本年1月、34カ国目の訪問国となったフィリピンと比較しながら、インドの宗教、生活、経済等を見ています。現地から、できる限りの最新情報をお伝えします。今回は3つの報告です。

一つは、ヒンズー教三大祭りの一つである「デイワーリー」の開催中にデリーに訪問できました。夜は、街の中心地はイルミネーションで飾られ、電力事情の向上を実感しました。この祭りは、インド2大叙述詩である「ラーマーヤナ」に記述されており、ラーマ王子の妃シーターが魔王ラーヴァナを退治し、妃を奪い返した物語に対して、インド人の8割強のヒンズー教徒が、国を挙げて喜びを分かち合うものとなっています。
なぜ、この物語に国民が祝意を示すのか?インド人の精神的・哲学的基礎からか?21世紀になってもこれほど、妃シータを奪い返した物語を我が事のように喜びあえるのか?ここから、インド人の謎に挑戦することになりました。

二つ目は、なぜ、ここ数年間で、インド最大の輸出産業がIT産業となったのか?前述の複雑な体系を持つヒンズー教を信奉するインド人の精神性、哲学性が最大の要因となっているようだが、その真実は何か?等、近年、インドブームの淵源を探る視察開始です。

三つ目はデング病です。夜の蚊はマラリヤになりますが、今年は昼活動する蚊が伝染させる「デング病」がデリー周辺で大発生し、100人近く死亡したとのことです。クーラー内の水溜りなど、家庭内で発生しており、政府は注意を呼びかけています。ヒマラヤ山脈に近いデリーでは、夏の熱風のたまり場所となり、日中は40数度になり、体力が消耗する夏、秋口にデング病にやられるようです。しかし、昼間は、10年前以前にインド訪問した蚊の攻撃は現在ではほとんどなく、急速な成長国家インドの一面を見ました。

この原稿は、インド訪問3日目の17日早朝に作成しました。あすはデリー経由で、まさに、人口大国の象徴である「ムンバイ」に移動します。それでは、次のムンバイからのブログをお楽しみください。