ご覧いただきありがとうございます。
□ このブログの内容
特別支援教育に役立つ
□ あなたが得られること
LD、ADHD、(高機能)自閉症、アスペルガー症候群…
発達障害がある子どもたちへの
具体的な支援のしかたを、
学習面・生活面・行動面から紹介
※この記事は単独ではなく、今までの記事、これから連載される記事と関連づけられています。
□ 信頼性
私は、小学校教諭を定年退職しました。
その後も再任用、講師としてフルタイムで継続して勤務しています。
学級担任、少人数指導、特別支援学級担任を経験させていただきました。
現在も、特別支援学級担任として勤務しています。
そこでの実践を生かし、知見したことに基づいて吟味した情報を発信しています。
今回は、49回目になります。
過去のブログを合わせて見ていただきますと、より理解が深まります。
7 相手の気持ちが読めない
相手の表情から心情を察することが苦手だったり、言われたことばを相手がどう思うかを想像することが難しい子がいます。
友だちとうまくコミュニケーションをとるための手助けが必要です。
● いやがることを言ってしまう
発達障害児のなかには、相手の気持ちを察したり、表情を読み取ることが困難な子どもがいます。
「太っているね」「その髪型、似合わないね」などと、思ったことをそのまま口に出してしまいます。
また、転んでけがをした子のそばに寄って「もう一回転んでみて」などと言ったりします。
場面や状況から、その人がどんな思いをしているかを想像することができないのであり、悪気はまったくありません。
親から「そんなこと言ってはいけない」と言われても自分の発言のどこがいけないのかわかりません。
遠回しな表現やたとえ話などもわからないことがあり、人とのコミュニケーションがうまくとれません。
〈 ケースの具体例 〉
□ 見たままをそのまま口にしてしまう
「太っているね」「その洋服は似合わないね」「おじさん、はげているね」など、目で見て感じたことをそのまま言ってしまう傾向がある。
見たことだけではなく、「テストで100点が取れないなんて、頭悪いね」とか「君が下手だから、子のチームは負けたんだよ」などと、相手の気持ちを察した対応ができない。
□ ことばや表現を字義通りに受け取る
友だちが「猫の手も借りたいほど忙しいね」と言うと、「ネコに足はあるけど手はないよ」などと真顔で返事をする。たとえや婉曲表現の意味がわからないことがある。
● あいまいなことが理解しにくい
発達障害のなかでも、相手の気持ちが理解しにくかったり、暗黙の了解がわからないのは、高機能自閉症(アスペルガー症候群を含む)に多くみられます。
脳のはたらきにアンバランスな部分があるために、決まったルールがあることはよくわかるのですが、「自分が感じても口に出していいことと悪いことがある」といった世の中の暗黙のルールなどは理解していません。
そのために、見たままのことを正直に言ってしまったり、一見、無神経とも思われることばを発してしまうのです。
ことばを字義通り受け取ってしまうケースも多く、「プリントに目を通して」というと、プリントに目を押しつけようとしたりします。
皮肉やお世辞も通じにくく、相手がうそをついたり、だまそうとしても、うそや相手の悪意が見破れません。
簡単に信用してしまうので、からかいやいじめの対象になりやすいといえます。
〈 なぜそのようになるのか 〉
表情や相手の気持ちがわからない。
(高機能)自閉症の特徴で、規則やパターンに当てはまったことはよく理解できるが、人の心などあいまいなことが理解できない。
↓
「太っている」「似合わない」と言ったとき、相手がどう感じるかが想像できない。
↓
感じたことを率直に言ってしまう。
● 人を不快にすることばを理解させる
● 子どもの発したことばによって、相手が傷ついたり、不快になったりした場面では、「○○さんは太っているって言われたくなかったんだよ。あやまろうね」と双方の関係の改善をうながします。
発達障害の子どもは、「見たままのことを正直に言うのが、なぜいけないの?」と思うでしょう。
しかし、正直なことでも言われてうれしいことと、言われたくないことがあることを説明します。
そして、「みんな、体形や顔のことは言われたくないんだよ。これからは言わないようにしよう」とアドバイスしましょう。
一度にたくさんの例を教えようとしても、子どもは覚えられません。
また、別の場面で、相手を不快にすることばを発したときは、「△△に関係のあることばも言わないほうがいいね」と、そのつど指摘します。
同じような経験を繰り返すうちに、言ってはいけないことばがわかってきます。
今回は、以上です。
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月森久江先生の講演を聞いたことがあり、私の実践とつながることが多々ありました。
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