私は大学時代に、フェミニズムの影響を受けました。
〝結婚せずに、一人で食べていけるようになろう!〟と、
定年まで働ける新聞社に就職したんです。
ところが、人生って、わからないものですね。
赴任先の地方で、
今の夫に出会ってしまいました。
誠実で優しい人です。
最初の印象は、
〝子持ちのパパ?〟です。
独身と聞いてビックリ!(笑)
彼は私より10歳年上です。
付き合い始めて数ヶ月後、彼は都会での勤務になります。
遠距離恋愛が始まりました。
付き合って2年半が過ぎ、結婚の話になりました。
彼が言います。
「来年の春に結婚しよう。
別居はしたくない。どうするか、決めてほしい」
つまり、私が都市部へ転勤にならなければ、結婚できません。
仕事を辞めなくてはいけません。
彼はこうも言いました。
「10歳若かったら、あと10年待てるけど…」
うーん。待ってもらえないのか。
究極の選択を迫られました。
一生の仕事か、結婚か!?
悩みました。
たった3年で退職するなんて、想定外です。
そんな情けないことは、したくない!
だけど、彼とも一緒にいたい!
海沿いの道を車で走りながら、ふと海にダイブしようかと、
愚かな考えが頭をよぎります。
困りきって、取材先の学校の先生(年上の女性)に相談しました。
先生は、こう言ってくれました。
「仕事は他にもあるけど、
好きな人にはなかなか出会えないよ。
職場なんてね、いざとなったら、冷たいもんだよ」
実感のこもった言葉からは、先生のやりきれない思いも
伝わってきます。
大切な人を選ぼう!
そう思えました。
頭でっかちで、当たり前のことが見えなく
なっていたのかもしれませんね。
職場の先輩には、
「仕事と比べられる男も、可哀想やな」と、
呆れられました(笑)
結局、異動願いを出したものの
それが叶わず、私は寿退社(死語ですね)をしました。
<次回に続きます>