雪組公演『壬生義士伝/Music Revolution!』感想③ | Vita felice パンとオタクの家

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『壬生義士伝』は、やはり作品の構成については賛否両論…というか否が多いようですね。
本筋のストーリーがブチ切れ状態で切り貼りされている印象を持たれる方が多い気がします。
その点については、私も同感なので…。

それでも、主人公とその家族の物語には毎回泣かされます…本当に切ない…心が痛い。


それでは…感想続きです。

ネタバレあるかも↓




❄️大野次郎右衛門  彩風咲奈さん

登場から滑らかな優しい南部弁で、一言目のセリフですでに次郎右衛門の人物像が伺えます。
竹馬の友とは言え身分が違ってしまい、人前では以前の様に話も出来ない間柄となってしまっても友貫一郎を思う気持ちは変わらないという事が、咲ちゃんの立ち姿だけで理解できる程の良い人感。

咲ちゃん次郎右衛門で特に印象的だった場面を2つ。

🍙大阪蔵屋敷での場面。
瀕死の友の命と自分の抱える民の命を秤にかけなければならない…と言う辛さが伝わって来るのです。
貫一郎に切腹を言い渡しますが、立ち去る前に
「夜が明ける前にな…」

と貫一郎に言います。傷ついて 床に小さく平伏すだいもん(望海風斗さん)貫一郎を目の前にして、どんな気持ちでこの言葉を言わなければならなかったのだろうか…竹馬の友を死なせる選択肢しか無い無念さ…このセリフに込める咲ちゃんの思いが痛々しく突き刺さって来ました。

🍙その後の嘉一郎との場面。
貫一郎の死後、長男嘉一郎が秋田戦争に加えて欲しいと願い出る場面。
咲ちゃん次郎右衛門はキツイ口調でバッサリ追い返そうとします。
その口調は、嘉一郎の父を自分の手で死なせてしまった上に、嘉一郎まで命の危険に晒すわけには行かない…嘉一郎だけには…と思う気持ちの表れ。
強い口調に見える少しの愛情が堪らなくて、咲ちゃん次郎右衛門に泣かされます。

正直、キャストが出た時に(予想はしていましたが…)咲ちゃんの次郎右衛門には物足りなさを感じるのでは無いか…と思っていた(咲ちゃんファンの方…こんな事書いてスミマセン🙏)のですが、自分の意志以外の所で起きる波に抗えない事への次郎右衛門の葛藤もまた分かりやすく表現されていたと…。

ただ…次郎右衛門最期は…あれで無くでも良かったんじゃ無いかなぁ〜と演出には少し違和感感じます💧


初日に抱いた違和感は多少薄らぎ、その分溢れる涙の量が増えて行きます。

これから観劇される方は、泣き過ぎによる脱水症状には気をつけて…タオルの準備も忘れずに!