伊那市議会 / 平成26年 6月定例会 一般質問 | 若さんのつれづれ日記 ~前伊那市議会議員 若林敏明 オフィシャルブログ~

○議長(伊藤泰雄君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
 若林敏明議員の質問に入ります。
 13番、若林敏明議員。
     (13番 若林敏明君登壇)


◆13番(若林敏明君) 若林敏明でございます。それではあらかじめ通告いたしました3点につきまして、市長の見解をお伺いしたいと思います。
 1点目は、伊那市の新エネルギー政策について。2点目は、拡がる松くい虫対策について。3点目は足の確保から考える公平についてであります。
 まず第1点目、伊那市の新エネルギー政策についてであります。これは3月までの伊那市市議会特別委員会環境エネルギー問題特別委員会のいわば宿題でありまして、その後その政策について伊那市はどのように取り組んでおるかをお聞きしたいわけです。平成24年7月の再生可能エネルギー固定価格買取制度、太陽光でいけば42円、水力でいけば25円から35円で買い取るという制度ですが、それが施行しまして新エネルギー開発が一気に推進されました。個人住宅から公共施設、あるいはメガソーラーに至るまで急速に普及が広がっておりまして、また水力が豊かで急峻な河川の多い我が日本においては、小水力発電についても改めて見直されております。伊那市においてもソーラー発電は買取制度施行を機に、伊那市の補助事業が廃止されたにもかかわらず以前増加傾向にありまして、中部電力の資料によりますと市内の新しい新エネルギー発電による件数は1,600件、受給電力量は550万キロワットと、これは330戸分の電力に匹敵するそうです。1万キロワット以下のいわゆる小水力発電につきましては、適地はまずは美和一貫水路それから春富の6号、いわゆる伝兵衛井筋が実現に向けて具体的に動き出しておりまして、また県の高遠ダムの維持水利用による発電もことし計画されております。なんと言っても小水力発電については安定的水量の確保と除じん、物が詰まるということで除じんが非常に重要で、元来管理されている水すなわち農業用水の活用が最も可能性が高いと思われまして、その点でも伊那市には可能性があると思われているわけです。また、そのほかの発電としましては、先ほど市長が答弁の中で触れておりました木質バイオマスの活用ということも非常に注目されるわけで、伊那市は薪ストーブで224軒、ペレットストーブで172軒の補助を出して普及に努めているというのが現状でありまして、そこで3月議会におきましては以下の6項目につきまして今後の新エネルギー開発推進のための条件整備を市に促したわけであります。その3月の議会での議会決議に対しまして、市長として再選されました白鳥市長に、その新エネルギー開発に対する意欲を具体的な形でお示しいただきたいという質問であります。
 それではまず1つずついきたいと思いますけど、まず1点目は、先ほど八木議員が質問されておりました、発電事業に関するガイドラインを早急に作成することという決議書でありました。開発がふえる中でトラブルを未然に回避するために、開発に伴うアセスメントの実施を求め、周辺住民に対する説明責任と合意形成を図ることが求められるということで議会議決したわけです。先ほどの答弁をお聞きすると、本来は国が条例を定めるべきものだというような答弁でありましたけど、例えば伊那市においては似たような例があります。それは電磁波の問題で携帯基地局の設置に関して各地で同じようなトラブルがあって、それに対して伊那市は申し入れ書をつくりまして、実施する事業者に対して周辺住民に対するきちんとした事前の説明責任を果たすようにという申し入れ書をつくって事業者に渡しています。それは、これまでの経過の中で伊那市の新しい区長さん、毎年変わるわけですが、新しい区長さんには毎年こういう市からは、事業者にこのようなものが出ていますということで配られているということになっております。そこでお尋ねします。このような電磁波の携帯基地局のような形で、当面、伊那市としてすぐできることとして事業者に対して、まずは住民に対する十分な説明責任を果たしてくれという申し入れ書を出すということは、一番最初にできることではないかと思うわけですが、いかがなものでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) この太陽光、特にメガソーラーにつきましては、大変日本各地で幾つかのトラブルの事例が出ているわけであります。要するに当初予想されなかった問題が顕在化してきたということで、法規制がないことが一番の問題であろうというふうに思うわけであります。申し入れ書というような方法もあろうかと思いますけれども、先ほども答弁させていただいたように太陽光発電については、適正利用のルールづくりが必要であるというふうに考えます。自治体単独では限界があるので、国への法整備の要望をしていくと、求めていくというようなことに加えて、市としても重要な事柄でありますので、このことについては検討を始めていきたいという考えであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) その両面で、国に対する要請と市で今すぐできることとして御検討いただきたいと思います。
 2つ目の議会議決は、再生可能な自然エネルギー開発の環境整備として、法的裏づけとなる条例を設置することということでありました。これもまた、先ほどの市長の答弁どおりでありまして、一刻も早くみずからの条例ができるように研究をしていただきたいと思います。答弁につきましては、先ほど市としても検討するということでありましたので、答弁することがあればお願いいたします。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 先ほどのとおりであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ちょっと墓穴を掘ってしまいました。実際、飯島町では法令化しているわけですし、ガイドラインも出しておるわけですので、伊那市としても十分研究してほしいと思うわけであります。
 3番目の要請事項は、官民共同して事業推進にあたるためには、要となるコーディネーターを自然エネルギー推進室に配置し、学習・情報交換の場づくりに努め、問題発見と解決、市民と行政の共同を図るべきであると。また、それが市民に見える形で進められるべきである。また、上伊那広域における連携も必要であるという提案でありましたが、これについてはいかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) エネルギーにつきましては、私、前々からある程度のエネルギーについては地産地消をすべきだという考えであります。そのエネルギーについては太陽光ももちろんありますけれども小水力も、また木質バイオマスも含めまして、こうした地産地消をある程度しておくということが大変この地域にとっても重要なことだという理解でおります。そうした中でコーディネーターをエネルギー推進室内にという話でありますが、コーディネーターの配置については状況を見てということになりますけれども、今、考えられるのが地域おこし協力隊、これは活用して視野に入れての検討ということもありかなというふうに捉えております。先ほど触れましたが、11月に木質バイオマスのシンポジウムをこの地域でやろうと、しかも大々的に伊那谷でやろうというような動きもあるようでありますので、そうしたときに森林の間伐なり、あるいは松枯れの利用なり、そうしたものがペレットに使われるとか、あるいはボイラーの農業施設へのペレットボイラーの活用だとか、いろんなものがこの地域では可能性があるわけでありますので、そうしたことを踏まえて地域おこし協力隊なども視野に入れて、そうしたコーディネーターというものも検討したいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 地域おこしという視点で考えますと、実は、これも前々回ですか、視察報告として皆さんにも報告しました岐阜県の郡上市石徹白の例を紹介したと思います。本当に過疎地で小学校も廃校の危機にあった。で、小学校を残そうという、そのみんなの思いの中で自分たちの自前の小水力発電所をつくって、それをきっかけに地域づくり地域おこしが始まったという事例があります。まさに、小規模発電、小規模な発電には売電してもうけるというだけではなくて、地域開発型の地域づくりに役立つ開発もあるというふうに思います。せっかく、そういう地域おこし協力隊の活用ということをおっしゃっておりましたので、ぜひとも担当者にその研修をさせて、まずは石徹白へ見に行くと。研修に行かせるというような具体的な行動を起こしていただきたいというふうに思います。その質問の後半にあります、上伊那広域における連携ということも必要であるというふうに触れておるわけですけど、上伊那広域における新エネルギーの問題というのはどのように扱われているでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 広域連合というか広域的な連携というのはとても重要であると思いますので、関係機関とも協議をしていきたいと考えます。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 議長、実際、この問題に関しては上伊那の地方事務所がイニシアチブをとっているというのが実態のことだと思いますけど、ぜひとも伊那市としても積極的に上伊那に関与して、連携をとりながら推進していただきたいと思います。
 4番目は、開発手順・発電・技術・法律・手続等に熟達した人材を、自然エネルギーアドバイザーとして投与すべきであるというものでありました。自然エネルギーを生かす場合には、やはり本当に経験と豊富な電力に関する知識が必要なわけで、先ほど必要だといったコーディネーターとまた1つ違った、より専門的な職員あるいは民間に委託してもいいと思うのですが、望まれるというふうに思いますが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 自然エネルギーに精通をした事業者の協力を得るということは、1つの前提ではありますけれども、アドバイザー登録制度については検討をする必要があるかなとうふに考えます。先進事例もありますのでいろいろと情報を収集しながら、またいいものについては発信をしていきたいという考えであります。市内の発電施設、それからモデル事業等の視察対応については、発電施設への視察に直接各施設へ申し込みを行うとか、またモデル事業への視察対応については、実施主体の事業者と調整を図りながらできるだけ対応したいという中で、こうしたアドバイザー制度についても検討してまいりたいというふうに考えます。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) アドバイザーがきちんとできると、やはり一般市民の中で意欲的に個人的にもあるいは地域づくりとして取り組みたいという人たちが相談しやすくなるのではないかと思いますので、ぜひとも置いていただきたい。あわせて、今、後段で述べましたモデル事業の視察がふえるであろうと思われます。特に、伝兵衛井筋の発電などはやはりかなり規模が大きいですので、これからますます視察に来ると思われます。やはりそれに対応するだけのソフトと実際に来る人たちに対応するだけの人材、そして当面一番欲しいなと思っておるのは、やはり伊那における新エネルギー政策の方針それに伴う事業の解説を載せたパンフレットのようなものがやはり必要になろうかと思います。小中学生の学習にも使えますし、また行政視察にも使えるというふうに思いますので、早急にパンフレットを整えたらどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 私たち大人のみならず、小学生中学生、地域の子供たちもこの場所でこの地域で、どのような自然エネルギーの活用が、また発電の場所が将来はどうなのかというようなことが理解できることは大変重要であります。手づくりでもできるわけでありますし、まずそのようなものは検討していかなければいけないと思いますので、早速、担当のほうにそうした検討の開始の指示を出したいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひ、検討して対応できるように。もちろん、それが今回の三峰川にしても長谷の一貫水路にしても地元の事業者にとっても励みになるというふうに思うわけで、行政が応援してくれているんだぞというのをやはり具体的に見える化していくということが必要ではないかと思うわけです。
 5番目は、エネルギーの地産地消は地域づくりの原動力にもなる。地域づくりを目的として小規模の小水力発電についても支援事業化すべきではないか。ということで、この例として先ほど岐阜県の郡上市の石徹白を例に出して要請したわけですが、実はこれについては、昨年までは実は伊那市の地域づくり活動支援金制度というのがあったわけですね。最大50万の補助金で非常に使い勝手がよかった、地域づくりをやる意欲的な企画にはちゃんと出ていたわけですが、打ち切りになったわけです。県で出している元気づくり支援金との兼ね合いということもあったかと思うのですけれど、やはり今回のような新エネルギーを活用した事業などというような伊那市独自の事業展開を考えたときに、やはり伊那市独自の支援事業化ということは、支援事業を立ち上げるということがあってもいいのではないかと。かつての地域づくり活動支援金を形を変えて実施できないものかと思うわけですが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 今現在、伊那市内の高遠・長谷・桜井、高遠は県によって、また桜井については土地改、また長谷についても地元ということでありまして、そうした小水力の事業展開というのは、いろんな皆さんが始めていただいております。そうしたときに、自然エネルギーの地産地消による地域の活性化ということは、先進地の事例からも有効な手段であるわけでありますが、そこには日々の大変なメンテナンス、また活用のためのアイデアづくりなどを地域が一体となった取り組みが求められるわけであります。支援事業化については、財政的な支援という部分のみではなくて、地域振興という観点も含めた検討を行っていかなければいけないという考えであります。
 また、固定価格買取制度では、価格の設定によって初期投資を含めて収支のバランスがとれるような制度設計になっています。これに対しての支援というのは、慎重であるべきかなという考えであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) まさに、今、市長の答弁のところがポイントなんでして、ここで私が指摘したいのは、いわゆる売電による利益、収益事業という視点ではないもの、つまり売電による収益には乏しいけれど、もっと小規模のもので地域の学校の通学路の照明にしようだとか、それをもとにみんなで加工場をつくろうとか、そういった地域づくりに役立つ、さらに小規模な電力を使った地域づくりという視点であります。先ほど指摘した岐阜県の石徹白についてもまさにそういうことでありまして、売電が主目的ではなくて、地域づくりにどう活用するかということが大事なんであります。そういう意味で売電を目的としている場合には、補助は差し控えたいというのは私も同感でありますけれど、それ以上に地域づくりという視点においては、小規模のものに出して支援をしていくということが必要ではないかというふうに私は思うわけですが、もう一度お願いいたします。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 地域づくりという別な目的・目標というものが明確で、また効果が十分に期待できるということであればこうしたことも可能かと思いますけども、ただ単に実施をすれば地域づくりにつながるというような短絡的なものでは、そうした投資は難しいかと思います。いずれにしても、両方面から検討をしてみたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひ、検討をお願いします。
 最後の6項目めは、再生可能エネルギーの買取価格の安定を国に要請すべきこととあります。太陽光で42円が38円へ、32円へというだんだん目減りしていると、これ本当に残念なことで、国策がこのように揺れてしまいますと国民の意欲も削がれてしまうわけです。先ほどの新エネルギー開発に伴うアセスメントの条例、あるいはガイドラインの整備とともにこの問題、固定価格の安定という点を国に要請していただきたいと、機会をつくってぜひ要請していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 太陽光発電の買取単価、年々下がっている状況であります。特に、10キロワット以上の設備については、大幅な値下がりとなっているというのが実態であります。また、固定価格買取制度につきましては、再生可能エネルギーの普及のための買取価格とそれから買取期間を一定にすることで、発電の設備、この運営を安定かつ円滑に行うことができるようにしようとしているものでありまして、電気利用者からの賦課金などによって維持をされているというのが実態であります。普及が進まない場合には、価格を据え置くなどの措置が必要であるために、エネルギー源ごとに検証が必要となってくるわけであります。買取価格の安定については、電気利用の負担につながらないような制度運営となるように、国のほうに要請をしていかなければいけないという考えであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひとも同感ですので、要請をお願いいたします。
 続いて、大きな2番目。拡がる松くい虫対策であります。平成18年に伊那市内で初めて松くい被害が確認されました。それから8年。被害は北上と東進を続けております。現在、北は小沢川左岸斜面から箕輪町三ヶ日にかけて北上中でありまして、また東は、富県高鳥谷山系から高遠の上山田、そして勝間に拡がり限界とされていた800メートル以上でも被害が確認され初めています。被害は甚大で手がつけられないと諦めている住民もあれば、地域ぐるみで積極的に対策を取り組んでいるところもあります。いずれにせよ1人では戦えませんので、行政のリーダーシップが問われるところであります。そこで市長に伺います。至るところに松枯れが見受けられるようになりましたけど、まずは早期発見・早期処理が最も肝心だと思います。しかも、枯損木はカミキリムシの産卵源であり、6月までに駆除するということが最も重要だと指摘されております。まず、誰が調査しているのか、誰が誰に通報すべきなのか、通報後はどのような手順で処理されていくのか、改めて住民に示すべきではないかというふうに思います。住民がそのことを知って初めて、住民の協力は得られるのだというふうに思うわけです。いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) おっしゃるとおり平成18年に伊那市内で最初に発見をされて以来、見つけるごとに処理をしてきたわけでありますが、被害が拡大するとともに全量駆除というものが追いついていないというのが実態であります。効果的な拡大防止策として、樹種転換事業というのがありますので、こうしたものにも今、取り組んでおります。平成25年度は、富県地域で大規模に対応してきたということであります。
 発見経路というか発見の手順でありますが、地元あるいは市民の皆様から通報を受けて、あるいは市の職員も現地に出る機会も多いわけですので、そうした際に被害の確認を行い、現地確認の上、処理業者に発注をしているというわけであります。地元の区長さんなどからの通報が一番多いわけでありますが、通報する先窓口としては、伊那市の耕地林務課ということで改めて周知を図ってまいりたいと思います。ただ、枯れた木を処理してほしいという要望につきましては、大変多いわけでありますが、国県予算の制約もあって全てに対応するということは困難な状況であります。現場を確認する、また危険な松があるかどうか優先度を十分に勘案をして取り組んでいきたいという考えであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) この質問は先ごろ開かれました、松くい虫対策の協議会の席でも、その出席者の中から出た意見でもあります。やはり私は、ここのところが一番重要なのではないかと、伊那市として厳しい財源の中をやりくりしながら全量対応できるように取り組んでいるということは、そのとおりだと思うのですけど、やはりその処理の仕方についてまだまだ十分知られていない。どうしたらいいのかということが、十分伝え切れていないのじゃないかと思われます。ぜひともそこのところ、もう一度住民に知らせて協力を求めるということが必要であろうというふうに思います。
 2つ目は、処理を担当する事業者も6月までに作業を終わらせることが望ましいというふうに言われています。今年度から複数事業者になり、処理期間を1カ月以内にと定めたのは大変よいことでありますけれど、もっともっと、今2業者ですけれど事業者数をふやせないものでしょうか。また、場合によっては、地元でやりたいということがあれば、地元でやることもあってもいいのではないかと思うわけですが、処理についての意見をお伺いします。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 平成26年度から業者数2から4ということでふやして、早期な処理を行っております。また、富県地区においては地域で発見をして、伐倒駆除を行い、住民の皆様が率先をして松くいの処理を行っているというそんな事例もあります。こうしたことについては、大変望ましいことでもあり、他地域においても同様の動きが始まっているということで歓迎をしているわけであります。地域住民によります巡視それから早期発見、伐倒処理と、こうした一連の作業をしていただくなど地域住民による森林保全活動というものが進む、そうした仕組みづくりというものをつくっていかなければいけないというふうに思います。地域などで、里山保全等の将来像を検討していただくということと同時に、樹種転換の推進等にも協力をお願いをしたいという考えであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) かつて伊那市は市道沿いの沿線沿いの木が大きくなったときに木障切りを地元住民が請け負うと。そのとき使った重機などの経費は市から補填されるという仕組みはかつてありました。やはり積極的に、業者が来るのを待っているというじれったい思いをさせないで、自分たちで切りたいということであれば、ある一定の人工に対する実費相当の保証をしてどんどん切ってもらうと、自力で切ってもらうということもあっていいのではないかと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 3番目の質問は、被害木のみならずその周辺の赤松を対象に伐採し、少しでも資源活用するいわゆる樹種転換事業は対処療法ではなく積極的で極めて重要だと思われます。一昨年、伊那市は補助率を上げたところ40ヘクタールが実施されました。ところが、昨年その補助率を10%下がってしまったということで、実施されたのは17ヘクタールと半減してしまいました。やはり自己負担2割という大きな壁があったと思われます。市として改めて、今、大変重要なときですので、もう一度10%かさ上げして、自己負担1割にできないものでしょうか。お尋ねします。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) この樹種転換事業につきましては、平成24年度これ震災復興特別交付税、これを財源としたために10から20にかさ上げがあったということで、特別の理由があったというふうに理解をお願いしたいと思います。また、平成25年度からは、このかさ上げの財源というのは、一般財源となったために10%という状況であります。
 赤松林が松くい虫による被害を受ける前に伐採、それから搬出を行っていただきたいと。つまり材として有効利用してほしいというふうに今言っておりまして、枯れるの待つのではなくて、材として使えるうちに使うというふうにしていただきたいと思うわけであります。厳しい財政状況の中ではありますけども、赤松を有効に利用すると活用するというような事業について推進をしたいと思います。特に、この上伊那は赤松については非常に優良な材が採れるということで外に知られておる地域でありますので、枯れて価値のなくなったものをただ単に処理をすることに労力をかけるのではなくて、適宜いい時期に切ってそれを材として使うということが重要であろうかというふうに思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 一昨年は特別だったとおっしゃいますけど、だから、それが特別な交付金がなければやらないというのではなくて、ここからが白鳥市長のカラーではないかと思うわけですね。ぜひとも10%のかさ上げを復活させたらどうかと思うわけです。
 樹種転換の延長上で今ちょっと出た、赤松の有効利用ということを4番目に質問しようと思っているわけですけど、伊那の赤松、木曾のヒノキと並び称されるほど、いわば伊那の赤松は有名であると、ブランドであったというふうに言われているそうです。先ごろ新聞によると、伊那の赤松を炭化処理することによって純度の高い炭素を精製できる、それをもとに抗酸化作用のあるサプリメントを開発したという記事が載っておりました。こうした赤松をいわゆる用材としてだけではなくて、有効に使って付加価値をつけて樹種転換のために役立つ研究開発こそ今、必要ではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 私もこの健康サプリメントの社員の方にお会いをしたことありますけれども、ま、これからだというようなことをおっしゃっていると同時に、この上伊那の赤松は極めてすばらしいということも言っておられました。こうしたサプリメントだけではなくて、この上伊那の赤松、非常に高い品質を評価されておりますので、フローリングだとか建材だとか、そうした枝葉というか間伐材については、バイオマスの利用などあらゆる有効な方策を講じていきたいと。また、新しい利用方法もあろうかと思いますので、そうしたことについても研究をしてまいりたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 早急に研究を深めていっていただきたいというふうに思うわけです。
 大きな3つ目、足の確保から考える公平という点であります。議員になって初当選して以来、これで多分4回目かと思うのですけど、足の確保こそ暮らしやすさの目安ということを訴え続けてまいりました。伊那市は果たして暮らしやすいでしょうか。伊那市の公共交通は、市街地循環バス2路線と地域循環バスが7路線、加えてデマンドタクシーが6地区、それに藤沢線を加えますと16事業が行われております。年間の乗客は延べ11万人ということで、非常に利用されております。料金設定も中心市街地への循環バスが150円、地区循環バス、タクシーが310円の低額であります。あるいは対キロ制で上限を310円としているケースもあります。そこで市長に伺います。伊那から例として、古屋敷までは通常の路線バス運賃が1,240円、往復すれば2,480円と大変高額なお金がかかります。それに対して310円の定額制は、どこに暮らしていても平等の自己負担であるすばらしい方策だというふうに思います。しかしその分、行政の負担は大きいことは自明の理であります。市長の考える行政施策における公平性についての見解を改めて伺いたいと思うわけです。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 公共交通につきましては、全体の路線運営を考える中で検討していかなければいけないということで、単に1路線の乗車率あるいは運行運賃そうしたのみでその将来の姿というものを捉えるわけにはいかないというふうに考えております。現在、公共交通のあり方につきましては、総合的な見直し作業を進めておりますので、利用と運行の実態を検証する中で、運行体系についても検討していきたいという考えであります。
 行政施策の公平性については、なかなか一概に論ずることはできないと思います。基本的には行政サービスとそれから住民負担のバランスも必要であります。公共交通も含めながら市のあらゆる業務において、その両面で均衡ある施策の展開を図りながら、市民の皆様の満足度を高めていく、こんな地道な作業が必要かというふうに考えます。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) やはり住民の目線に立っての公平性ということは非常に重要なんではないかと思います。確かに、総合的に伊那市全体を見て均衡と満足度を勘案してということはそのとおりだと思いますけれど、それこそ伊那市の最も特徴的な問題課題は、非常に地域が広いということであります。つまり物理的に広い、したがってどうしても地域における格差が生まれてしまう。それは今回のこの足の確保の問題が如実にあらわしているというふうに思うわけです。それを解決するためには、やはり行政の公平に関する、何をもって公平とするのかということが軸足がしっかりしていないとどこにでも暮らしやすさが保障されるわけではいけないというふうに思うわけです。住みやすさというのは、どこに暮らしていても、いつでもどこにでも行ける、そしてしかも自分の意志で行けるということが大変重要なことだというふうに私は思います。福祉でいうところの、いわゆるノーマライゼーション、自分の意志の尊重ということなんですれど、それこそそれを追求してこそ、市長のいう伊那で暮らすという、そこに住み続けられる条件が整うのではないかというふうに思うわけです。
 さて2つ目の質問ですが、路線の見直しを総合的にしていくということでありますけど、極めて重要な要素としては、実際に利用している人たちの両者の声を聞くということではないかと思います。アンケートをとるとか懇談会を開くとか、まずは有識者だけの判断ではなくて、実際に乗っている人たちの声を聞く機会をつくるべきではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) アンケートでありますけれども、一般的なアンケートでありますと課題がなかなか浮き彫りになりにくいという面があります。アンケートの設問内容等について、今、運輸局との打ち合わせ、それから全国の事例も収集をしておりますので、こうした研究を見ながら進めてまいりたいということであります。また、アンケートの実施に当たりましては利用率の向上、それから収支の改善につながるようなそんな方向性が必要でありますし、実施効果の高いものになっていかなければいけないというふうに思うわけであります。運行の見直しについては、画餅にならないように実効性の高い計画案となるように、地域協議会それから利用する皆さんの声をお聞きしながら機会を設けてまいりたいという考えであります。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) アンケートを検討しているということですから、ぜひとも加えてもらいたい課題があります。それは現状の人たちに聞くだけではなくて、潜在的に利用するであろう人たちを、やはりイメージしていくということだと思っています。地域の中で高齢者しかも運転免許を持っていない、あるいは持っていても返すであろう人たちというのは予測ができるわけです。それを拾い上げて図面に点をおとしていくと、おのずから必要な路線、オンデマンドですけど、まさにどういう路線を通すと乗客がふえるのかということがわかってくると思います。ぜひとも潜在的な利用者の掘り起こしという視点をぜひ持っててほしいと思います。
 3番目、最後になりましたが、昨年12月に菊の湯の廃業に伴って、緊急処置としてみはらしの湯送迎バスを出してくださったわけです。順調で週3日、1日2便、5カ月に延べ2,000人の利用がありました。平均しますと1日30人を超えておりまして、しかも週3日の利用者のうち、毎回10人ぐらいずつ違いますので、潜在的には利用者は、この30人にはとどまらずもっとたくさんいるというふうに思われます。大変、業者から歓迎されておるわけですけれど、この事業者はお風呂難民を出さないための来年3月までの一時的な処置であるとされておるわけですけど、利用者と行政との懇談会の中では、事業を継続してほしいという強い意見が出されております。今後の実態を検証する中で、継続する手だても検討していただきたいというふうに思うわけですけれど、市長の見解を伺います。


○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 市内の銭湯の廃業に伴って、行政それから市民の皆さん、利用者の皆さん、そうした皆さんとの話し合いの中で生まれたこのバスでありますが、好事例ではなかったかなというふうに私は見ております。利用も30人を超えるということ、また利用している皆さんからも本当にいい意見が出されております。評価も受けております。ただ、これ伊那市観光株式会社が運行しているということでありまして、バスの運行期間中にそれぞれの個々の個別の対応を今までもやってきておりました。そうしたことによって利用者が一定規模確保できているという状況でありますが、収益事業として成り立つかどうかという点においては、伊那市観光株式会社の判断になるわけであります。人気も高いわけでありますので、より効果的で採算性のよい運行を研究をする中で今後、継続運行についての依頼を伊那市観光のほうにしてまいりたいと思います。


○議長(伊藤泰雄君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 実際、利用してくださる方は大変感謝しております。もちろん午前中の部を出してほしいとか、あるいは夜の便がないわけでして、男性だけは地元のホテルに無理を言って入れてもらっているのですが、女性はないということでつらい思いをしている女性もいます。が、しかし利用者の懇談会の中では、まずは最低この3路線を残して継続してもらいたいという気持ちが非常に強かったというふうに思います。待合いのセントラルパークで待っている間に、おばあちゃんが草むしりをしてくださっていました。そういうやっぱり少しでも感謝の気持ちを持って乗っていらっしゃるということは、大変感銘を受けました。やはり行政としてもやっぱりこれからの1年先のことを見据えた対応を考えていただいて、ぜひとも継続を。あるいはむしろもっと積極的に今、無料バスを3便出しているんですけど、いっそのこと無料バスを地域循環バスにして第3の循環バスとして、みはらし行きの循環バスにして有料にして、それで市民もどんどん積極的にみはらしの湯へ行くということだってあり得るのではないかというふうに思います。検討をぜひお願いします。
 先ほど、前段で八木議員が町なかの機能としての銭湯のことに触れましたけど、私も本来は、やはり町なかにこそ銭湯が復活できることが、やはり最も大事な要素ではないかなと思っています。町なかに住み続けられるための1つの要素、あるいは観光の要素としても1つこれはあわせて検討をしていきたいと思っております。これはまた別の問題として取り組んでまいりたいというふうに思います。いずれにいたしましても、伊那市観光株式会社というだけではなくて、行政としてもこの問題、その際になってではなくて、今から十分検討をしていただきたいというふうに思います。時間になりましたので、以上で私の質問は終わります。


○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、若林敏明議員の質問が終了しました。