走る時にあごをあげない│足関節捻挫後遺症の可動域制限解除の考察(2)│静岡県 富士宮市 若葉治療 | まぼろし工房_ランニング

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市民ランナー達と作った靴下、まぼろし工房の “ラクちんソックス” のブログです。シューズが発生するグラグラを抑えることで、効率よく走れるだけでなく、怪我や故障を防ぎます。いくつもの特許を取得した、世界で一つの靴下です。

今さらながら、『走る時にアゴを上げてはダメな理由』 について、少しだけ触れてみます。

 

普通に立った姿勢から、背中に力を入れてみます。(アゴが上がりました。)

 

 

 この状態で足を上げてみてください。非常に上がりにくいのが解るでしょうか?

 

 

 次に、この状態でしゃがんでみてください。上手に背骨をロックすることができれば、

 

   これくらいまでしか・・・しゃがめません。

 

 

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 ランニングは、速く走る競技ではなく、速く前に進む競技です。 

 

 背中に力を入れてしまうと、 足の動きが悪くなり、前に進みにくくなってしまいます。

 

 

 スポーツ以外の日常生活でも、背中が固いと、腕や足の動きにまで影響します。

 

 上記のように、カラダは手足、背中、そして全身が連動して動きます。

 

 それを運動連鎖と言います。

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 前回 書いた   足関節捻挫の可動域制限の解除と考察 で、

 

 

 

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捻挫の後遺症により、曲げきれない足首の痛みを・・・・

 

 

背骨にアプローチする事によって、ここまで改善したのは

正しく行えていなかった運動連鎖を正常に近づけたからです。

 

 

 

では、なぜ?足首の捻挫で背骨がロックされたのか?

 

前回 書いた   足関節捻挫の可動域制限の解除と考察 に、とても良い質問をいただきました。

 

■質問の内容■ ==================================

先日のブログ、拝見させていただきました。 先生の臨床での頭の中が垣間見られ、とても勉強になりました。 ブログの中で、「特に胸椎の4~8、頸椎1~2はロックさせるだろう。」という記述がありました。 頚椎の1・2は目と合わせて姿勢制御の肝ですし、脳(頭部)と繋がる部分で重要視されるのでロックさせるのは感じています。 ただ、4〜8番が分かりません。 臨床上、4〜8番の可動性が悪く、後弯が消失している例での坐骨神経痛、肩甲骨の不安定性、頚椎症状を多く見かけます。 骨盤帯や頚椎の代償で4〜8番の動きが悪くなるかと思っていたのですが、損傷を防ぐためにロックを作るという発想が無かったです。 よろしければ、先生の考えられる損傷を防ぐつながりを教えていただけないでしょうか?

 

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 ~術をもって学ぶ~

・解剖学的な原因と、生理学てきな原因

 

 私が考える痛み、および、関節や筋肉の動きには

 解剖学的な問題と、生理学的な問題があります。

 

私達は学生の頃に、解剖学と生理学を学びますが、外傷について、医療の現場では、

解剖学的な原因は重視され、生理学的な問題に触れることはありません。

 

生理学的な事は、解らないから関係ない、できないから関係ない・・・それは真実と言えるでしょうか?

それは・・・ 誠実であったと、言えるでしょうか??

 

頸椎1~2、胸椎4~8のロック(可動域制限)について、

解剖学的な視点と生理学的視点の二つに分けて書いてみます。

 

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●解剖学的な視点から

 

 骨格の持つ役割は、身体を支え、様々な運動を行う事にあります。 

 一部の損傷により、起きたエラーを他の関節が補い、姿勢制御を行います。

 

例えば、足首や、膝のエラーが全身に影響を及ぼします。

 

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●全身に及ぼす影響

 

「特に痛い所はないけれど、肩がこる」

そんな普通の症状の人に測量レーザーを当てるとこんな事が起きています。

 

・軸が狂っています。左右の掌が別々の方向に向いています。

 

 

 

肩こりや、腰痛の原因は背骨が曲がってるのが原因とか、そういう類の話じゃなくて・・・・

治療前と後の足首に注目してくださいよ。

 

小さいエラーの積み重ねが、最終的に、腰や肩の関節にまで影響を及ぼします。

 

足首関節ひとつの曲がりでも、膝、背骨を介し、頸椎にまで影響を及ぼします。

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~逆説的に首の可動制限を足首で解除する~

 

足首のエラーが、背骨を介し、頸椎にまで影響を及ぼすのならば、

逆説的に、首の寝違いのような痛み(首の可動域制限)を足首を治す事によって解除してみます。

 

 

※鍼灸師なら専門学校の一年の夏には誰もが習う基礎中の基礎。基礎こそ命・・・基礎こそ全て。

 

 

■首の痛みを伴う、可動域制限を、足に鍼をうって解除する(動画)■

 

足関節のプロネーションが全身に影響を及ぼし、肩こり、頭痛にまで発展するというのなら、足関節のプロネーションを治せば首の痛みが消えるはず。理論を実証するテスト参考記事 :靴と肩こりの関係

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●膝関節が胸椎に及ぼす影響

足首や、膝のエラーでも、その構造的に頸椎にまで影響を及ぼします。

 

もう一つ、胸椎の4~8のロックについてですが、

まず、解剖学的な視点から書いてみます。

 

 

ハムストリングや、下腿この筋肉は、膝関節を構成します。

それは前後の姿勢制御に大きく関係します。

 

<過去記事から>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

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膝のエラーを修正しただけで、上半身の形が変化しました。

 

猫背や、肩こり、首こりは、背骨の問題だけでなく、膝のエラーが大きく関係します。

 

その逆に、背中のロックが膝にも大きく関係しています。

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■逆説的に、背中を治す事で、膝を治してみます。

 

よくあるオスグッドの曲げると痛む膝です。 

 

治療前 19時03分   曲がるようになったのが19時08分 。その間 5分。

 

  5分の間に何をしたかというと、 背中のロックを解除しました。

 

 

背骨のロックは、膝の動きにも大きく関係してきます。

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さらに逆説的に、背骨のロックを膝で外してみます。

首を左に向けると、可動域の制限を伴って激しく痛む女性の首(背骨のロック)。

 

通常なら 『寝違い』 と言われる首の痛みです。

 

膝のロックを外して、首の痛み・可動制限を治してみます。

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解剖学的な問題で言えば、一つの動きは、全身の様々な筋肉や関節と連動し、

ただしい協調運動を起こさなければ正しくは動けません。

 

 

それは解りきったことですが、各論ばかりが語られて、知識が氾濫しています。

 

施術者のもつ知識や技術は、木で言うならば枝葉です。

その根幹は、どんな気持ちを感じたいのか? 何の為にやっているか? そんな所だと思ってます。

 

知っている事は惜しみなく流すので・・・ 研究していきましょうよ。

 

日本の理療が、世界一だと、俺たちが世界一だと胸を張れたなら・・・

 

それは素敵な生き方だと思ってます。

 

 

次に生理学的な視点でみる関節のロックについて書いてみます。(つづく)