臨場感ある文を書くコツ~運動会の作文~ | わかば国語・作文教室

運動会の歌といえば

「秋空高く爽やかに心は踊る運動会~」

という定番の曲を思い出します。

(地域によって多少歌詞が異なるようですが。)


最近では6月頃に運動会をやる学校も多いようなので、

この歌の歌詞が「夏空」になるのか「青空」になるのか…と、要らぬ心配をしてしまいます。

それでも、やっぱり運動会は秋!という地域もあるので、

この時期になると「あぁくるなぁ」と思うのが

「運動会の作文」です。


読み手を惹きつける運動会作文のコツは

ズバリ、臨場感を出すこと!


臨場感=その場にいるような感じ


です。


ではどういう文を書けば臨場感がでるのでしょうか。



【臨場感を出すコツ】・・・・・・・・


その1.クライマックスから書き始める


その2.セリフを使う


その3.具体的な動きや様子を書く


その4.エピソードを1つにしぼる


その5.1文を短くする


その6.現在形を使う


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


例文を使って説明しますね。



例文(校正前)・・・・・・・・・・・

9月21日は運動会でした。

5年生はダンスの後に50m走でした。

練習では、僕はいつも鈴木君に負けていたので

本番こそは勝ちたいと思っていました。

がんばって走ったら勝てました。

嬉しかったです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この例文を、コツを使って校正していきましょう。


《1.クライマックスから書き始める》


この例文のクライマックス(最大の見せ場)
「勝ちたいと思ってがんばって走った」シーンです。

その部分から書き始めます。


(例1)
パーン。スタートの音とともに僕はかけだした。
今日こそ勝つんだ。いつもより大きく腕を振って走った。


(例2)
あと一歩。その一歩がなかなか追いつけない。
しかし僕はあきらめなかった。
コーナーに差し掛かったとき、息を止めてスピードを上げ
一気に鈴木君を追い抜いた。




《2.セリフを使う》


セリフを使うと、その場の様子が想像しやすくなります。
実際にその時言ったセリフだけではなく、
それ以前に言ったり聞いたりしたこと(回想)や、
心の中で思ったこと(心の声)でもOKです。



(例1)
「うでを大きく振るんだぞ」
週末に練習をしていたとき、お父さんがそうアドバイスしてくれた。


(例2)
(スタートが勝負だ。絶対に負けない。)
スタートラインに手をついて、グッと前を見つめた。




《3.具体的な動きや様子を書く》


それを読めばドラマのワンシーンを作れちゃう!
というくらい、クライマックスでは
読み手に映像を想像させる文を書きましょう。


(例1)
鈴木君と肩が並んだ。僕はさらに腕を大きく振った。
コーナーを曲がり終えると白いゴールテープが見えた。
あと10メートル。僕は息を止めたまま歯を食いしばった。


(例2)
スタートラインに立つと、
観客席でカメラを構えるお父さんが見えた。
僕と目が合うと、腕を前後に大きく振って見せ、
それから小さなガッツポーズをつくった。



その4~その6は中級レベルのテクニックなので、
その1~その3が使えるようになったら
ぜひ試してみてください。



例文(校正後)・・・・・・・・・・・


「今日こそ鈴木君に勝つんだ。」
僕はスタートラインに手をついて、グッと前を見つめた。
すると、観客席でカメラを構えるお父さんが見えた。
僕と目が合うと、お父さんは腕を前後に大きく振って見せ、
それから小さなガッツポーズをつくった。
(わかってるよ。腕を大きく振るんだね。)
週末の特訓でお父さんから教わったアドバイスだ。
僕は小さくうなづいて、「よーい」の声をともに腰を上げた。
パーン。
思いきり地面をけった。いいスタートだ。
コーナーに差し掛かったあたりで鈴木君と肩が並んだ。
僕はさらに腕を大きく振る。
コーナーを曲がり終えると白いゴールテープが見えた。
あと10メートル。僕は息を止めたまま歯を食いしばった。
もう鈴木君の姿は見えない。僕は夢中でかけぬけた。
結果は、1位。やった!やっと勝てたんだ!
思わず観客席を振り返ると、
お父さんが飛びはねるようにして手を振っていた。
手にしたカメラに映る映像も、
きっと大きく揺れているだろう。
そのおかしさと勝てた嬉しさとで、
僕はほおが痛くなるほど笑っていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ほら、実際にはアっという間に終わってしまう

徒競走だけでもこんなに書けました。

ここにあるコツを使えば、
「原稿用紙を埋めるのがつらいんだよな~」
なんてお悩みともおさらばですね!


そして、ぶじに書けたら、ぜひきちんと添削できる人に読んでもらいましょう。

せっかく書いた作文が
学校では「てにをは」しか添削されない!
はなまるひとつで返却されてしまう!

なんて、もったいないですもんね。


お子さんの中には、まだ出し切れていない
みずみずしい感性が残っているはず。

それを埋もれたままにしておくなんてもったいない!


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