いつもご覧いただきありがとうございます。八千代台院の佐久間です。
まだまだコロナが見え隠れするなか、健康管理の一環として、「腸活」への関心が増えてきているようにも感じます。
実際、免疫力アップや老化防止、アレルギー対策など腸活に関わる記事を目にする機会が多くなっています。
では、「腸の年齢」を若く保ち、老化防止やアレルギーの対策など、健康管理につなげていくにはどうすればよいのか・・・?
老化は身体が慢性的な炎症状態になり、細胞や組織が傷つくことで起こります。
実はこうした炎症は腸内細菌と関係しており、腸内環境を整えることで炎症、ひいては老化が抑えられると考えられています。
また、腸内細菌は免疫力とも密接な関わりがあり、感染症の罹患は、腸内環境が悪いと重症化しやすいことがわかっています。
大腸には約1千種類ともされる腸内細菌が共生しています。
環境や食生活で菌の種類や割合は異なりますが、その種類や数が減り多様性が損なわれると、健康に悪影響を及ぼし始めます。
日本人の腸内細菌はビフィズス菌が多いのが特徴のひとつで、日本人の長寿に関係している可能性があると言われています。
日本人は身体に乳糖分解酵素が無いため、牛乳などに含まれる乳糖を自分で分解出来ません。
一方、ビフィズス菌はこれが大好物。
小腸で吸収されず大腸に届いた乳糖がビフィズス菌を増やすことにつながっているようです。
ただ、こうした多様性や特徴は、環境変化の波をもろに受けます。
工業化や都市化が進んでいたり、抗菌剤などの薬剤使用、綺麗すぎる環境などでは、腸内細菌の多様性は乏しくなってきています。
実際、長寿で知られる地区で、3世代に渡って腸内細菌を調べてみると、若い人ほど多様性が失われていたそうです。
多様性の構築は長い時間が必要ですが、あっというまに失いかねないのです。
腸は血管年齢のように「何歳です」とは言えませんが、何が老いる要因で、何が若さを保たせるか、区分けすることは出来ます。「腸の年齢」を進めさせるアクセルと、止めたり逆戻りさせたりするブレーキが何かを知れば、腸内環境を整えることは可能なはずです。
例えば、短鎖脂肪酸はビフィズス菌が作り出し、腸内環境を弱酸性に整えて「腸の年齢」を若く保つ役割をしています。
ビフィズス菌にはストレスを軽減する効果もあるとされ、認知機能の改善に役立つという研究もあります。
そして、一番の要素は食生活の改善です。
たとえば地中海食は、肉よりも魚、ナッツや豆類、全粒粉やオリーブオイルを多用するのが特徴で、心臓疾患などの抑制効果が知られています。
日本食は地中海食と同様、魚や豆類などを多く使い様々な発酵食品があるので、日本人には地中海食以上にぴったりなのです。
その逆に不健康なのが高脂肪食や高単糖食です。
腸内細菌の力を借りずに、胃や小腸で消化吸収
してしまうため、食物繊維などをエサとする腸内細菌の役割がなくなり、衰えていってしまいます。
腸内環境の改善は、今現在のお腹の調子を整えているだけではありません。
この先何十年と未来の健康維持にもつながっていると意識しながら取り組んでいきましょう!