娘の学校で3年生を送る会の合唱のピアノオーディションがあった。

最後のイベントの伴奏だから絶対に勝ち取りたいと、

毎日毎日練習していてピアノの先生からも集中レッスンしてもらって、

かなり上手に弾けていた。

 

オーディションでも練習の成果を発揮して他の子は音を間違えたり引っかかったりする中、

娘だけは完璧に弾き終えたらしい。

一緒にオーディション受けた子の間でも

 

「今回は〇〇(娘)で決定だね」

 

って皆が納得する出来栄えだったらしい。

娘も

 

「たぶん今回は私受かるかも。」

 

って自分でも満足してた。

 

でも、オーディション結果発表の日になっても発表されない。

次の日になっても次の日になっても発表されない。

結果が気になるものだから、オーディション受けた友達と先生に聞きに行っても、

 

「今考えてるところ」

 

と言うだけで発表されない。

 

ここらで娘

 

「今回のピアノ、ダメだと思う。〇〇ちゃんになると思う」

 

って言ってきた。

 

このオーディション担当の先生、贔屓が激しいので有名。

普段から自分のクラスの子ばかり贔屓するし、

更にクラスの中でもお気に入りが何人かいてあからさまに態度に出すし

イベント時にはその子達にばかり目立たせようとしてしまう。

合唱コンクールの時の指揮者決めの時も立候補した子がいたのに

わざわざその子以外にも数名(もちろん全部先生のお気に入り)を指名して無理矢理オーディションをし、

わかりやすく立候補者は落ちて指名の中の1人が合格。

 

また、

『卒業式の指揮者と伴奏者は式典のため先生の指名にします』

という異例の発表があり(これまでは式典イベント関係なく全てオーディションで決定されてきた)、

指名された子はこれまたわかりやすく先生のお気に入り。

 

娘は、

 

「オーディション終わって何日も経つのに無駄に日にち伸ばされてるし理由も言わないし、

絶対に自分のお気に入りにするか、上手だった私にするかで迷ってるに決まってる。

どんなに贔屓する人でも誰も文句言えないくらいに上手に弾けたら大丈夫と思ってめちゃくちゃ練習したけど、

それでもあの先生の事だからお気に入りの子を選ぶかもしれない。」

 

って。

 

結局オーディション結果が発表されたのは歌合わせ当日の練習直前。

選ばれた子は案の定、贔屓先生のクラスの子だった。

 

 

発表後クラスに戻り待っている友達に結果を報告して号泣したって。

皆慰めてくれたりダンス踊って元気付けようとしてくれたり。

一緒にオーディション受けた子も

 

「結果絶対におかしい!

間違いなく〇〇(娘)が一番上手だったよ!!」

 

って改めて言ってくれたって。

いいお友達に恵まれて有り難い…

 

だけど娘は納得もできずイライラモヤモヤ。

帰宅後オーディション結果や友達の反応の話をしてくれたのだけど悔しくてずっと泣いてた。

そして

 

「学校はこんなのばっかり。

先生もおかしいし、生徒も変な子いるし、

真面目に頑張ったって報われない、理不尽な事ばかり。

だから学校は嫌なんだ!!」

 

って泣きながら言ってた。

 

うん、わかる。

理不尽な事ばかりよね。

おかしな事がまかり通る世界で世間では許されないような事が普通に起こってたりするし。

だけど生徒は学校にいる限りそれを受け入れなくちゃいけないし従わなくちゃいけないし。

 

でもね、その理不尽って学校だけのものじゃないんだよ~!

社会に出たら次は会社や組織、その中で生きなくちゃいけなくて、

そうすると学校で起こっている事と同じような事が存在するのよ。

だからそういう世界で上手に生きていけるように、

10代の今のうちにその技術を身に付ける事ができれば今後各段に生きやすくなる。

 

正直に誠実に生きるのは素晴らしい事だけどそれだけだと今回みたいに潰される事もある。

そうならないように、贔屓する先生だったら自分が贔屓されるような存在になったり、

もっと権力のある先生と仲良くなっておいて後ろ盾になってもらったり。

 

そういうちょっとずるい生き方をしなくてはいけないのよ…

ずるい生き方はどうしてもしたくない、できないのなら自分が組織のトップになって、

上に立つ人間にならなければならないのよ…

その練習、実践に最適な場所がいろんな人が集まる学校という場所なのよ…

 

嫌な思いや悔しい思いは本当はしてほしくはないけど、

それがなければ学びもないし成長もしない。

今後の為にもそういう経験はいっぱいして自分の生き方を見つけてほしい。

嫌な事から逃げずに立ち向かう、躱す、ごまかす、受け流す、諦める、忘れる、

なんでもいいから自分の生きやすいやり方を見つけてほしい。

今回も『学校が嫌』で終わりにせず多いに悔しがって存分に泣いて、何かを得てくれ。

 

なんて事を、泣いてる娘を見ながらずっと思ってた。