歌集『生殖の海』 2022年版 | わたる風よりにほふマルボロ

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及ばぬ高き姿を追へ。

新古今見ざる歌詠みは

遺恨のことなり。

 

ごきげんよう、梶間和歌です。

 

 

昨日は

歌集『生殖の海』2021年版を

リリースしたそのご案内文を

noteから転載してご紹介しました

 

 

 

とはいえ、

ブログの毎日更新をやめて以降

日々の学びや気づきのシェアも

ブログで

あまり共有できていなかった現状。

 

X(旧Twitter)をご覧の方はともかく

主にブログをとおして

梶間に触れてくださっていた方には

 

「京極派? 唐突に……。

 なにそれおいしいの?? 」

 

という印象を

与えてしまったかもしれません。

 

 

2021年版の案内文を書いた

数週前の私も

 

「京極派の精神が2020年版の歌に

 反映できていなかった

 と書きながら、

 そもそもそれがどのようなものか

 じゅうぶん語れていなかったなあ」

 

と反省しまして、

 

 

2022年版の案内文には

そのあたりをしっかりめに加筆し、

 

21年版の倍ぐらい……

 

いや、倍以上?

 

 

厳密に文字数を数えてはいませんが、

とにかく言葉を費やした文章を

ご用意してしまいました。

 

 

果たしてこれは親切なのか何なのか。

 

 

 

ただ、

少なくとも梶間の歌の方向性、

そして生きる方向性に

共感くださる方には

 

多少暑苦しくとも

無駄になるものではないでしょう、

 

と信じて

そちらもブログに転載しますね。

 

 

ご笑覧あれ。

 

 

 

及ばぬ高き姿を願ひて

ことばゝふるきをしたひ、こゝろはあたらしきをもとめ、およばぬたかきすがたをねがひて……
 
藤原定家『近代秀歌』
 

この世における現実が良かれ悪しかれそれに振り回されることなく、次元を超えたどこかに確かに存在するものごとのイデア・・・にアクセスし、
私情を徹底的に排し、“詠みたいもの”ではなく“詠むべきもの”を“詠むべき形”で歌にする。

 

現実がどんなに理不尽でも、生活上の不都合や不具合がどんなに大きくとも、崇高なる我が創作物にそんなものは影響させない。

 

――私の人生を変えた新古今時代の歌人たちの、言語芸術としての和歌が、どのような精神で生み出されどのような矜持に支えられていたか。
出合ったばかりの無知な26歳の私には皆目見当が付きませんでしたが、
あとから振り返り言語化するならば、その精神と矜持をそのように捉えたからこそ私は新古今和歌に魅せられたのだ、と思います。

 

芸術とは自己表現である。誰にも理解されない思いをせめてぶつける手段である。

……もともとそんな幼稚な、世界に対しても芸術に対しても甘えた態度で生きていた私は、
鎌倉時代初期というままならぬ現実に揉まれながら、少なくとも和歌に向き合うかぎりはどこまでも誇り高くあろうとした新古今歌人たちの作品に頭を殴られ、
創作姿勢も生きる姿勢も根本から改めることになりました。

 

その学びの過程で、新古今時代のさらに約100年後、京極派の歌人たちの選択した前例、正解のない厳しい歌論、経験した試行錯誤、2つの勅撰和歌集におけるその結実、その人生の壮絶さと美しさを知ります。

花にても月にても、夜のあけ日のくるゝけしきにてもう。事(本ノマヽ)にむきてはその事になりかへり、そのまことをあらはし、其ありさまをおもひとめ、それにむきてわがこゝろのはたらくやうをも、心にふかくあづけて、心にことばをまする(本ノマヽ)に、 ツテ興おもしろき事、色をのみそふるは、こゝろをやるばかりなるは、人のいろひあながちにくむべきにもあらぬ事也。
こと葉にて心をよまむとすると、心のまゝに詞のにほひゆくとは、かはれる所あるにこそ。

 

京極為兼『為兼卿和歌抄』

 

新古今歌人たちの超現実の美、
京極派歌人たちの我が心と現実を徹底的に直視して生み落とした美。
必ずしも同一でない2種類の美を現代において自詠に取り込み、和歌において体現しようと格闘する日々が、気づけば始まっていました。

 

歌集出版ののち

同世代の歌友の余命宣告と早すぎる死をきっかけに、2020年、歌集『生殖の海』を私家版という形で出版。

 

 

新古今の精神を現代に、と当時なりに精いっぱい取り組んだものですが、
もとが

 

「芸術とは自己表現である。誰にも理解されない思いをせめてぶつける手段である」

 

のような捉え方をしていた中二病のメンヘラです。

和歌で喩えるならば、武士階級の台頭を見る前の時代の歌人たちの精神性――
「世界は我がために存在すべきである」という不遜さを前提とし、まったく正当性に欠ける主張や同情しようのない身勝手な恨みつらみを和歌に託し、被害者ぶって生きる、
そうした精神性と何ら変わりありませんでした。

 

そうした精神のありようから詠歌上も人生上も完全に脱するには、それなりの時間と労力が掛かります。
もちろん、それが完全にできていると現在もとうてい言えるものではありません。

 

2020年版『生殖の海』においては、新古今の厳しさのほうはいくらか体得、体現できていたものの、
京極派の真の厳しさと優しさについては、技術的にも精神的にも「まったく、お話にならない」アウトプットでした。

 

小手先の技術を磨くだけではどうにもならない、詠み手が真に心を鍛え精神を鍛えることでしか体現しようのない、京極派和歌。
この厳しい歌論を選択した、鎌倉時代初期よりさらに厳しい、筆舌に尽くしがたい激動の時代を生きた京極派の、特に後期の歌人たちの生き方を学ぶなか、
私は現実世界においても少しずつ、少しずつ、心を磨き、それに連動しておのずと歌や連作、歌集の完成度も高くなるだろうことを信じるようになりました。

 

心のまゝに詞のにほひゆく

和歌の技術を磨くことはもちろん、それ以上に、心を鍛えその曇りを削ぎ落すことは一生の営み。
「現在のお前はどれほどのものか。その心のありようの反映された歌集はどれほどのものか」
と問いますと、きっと来年、再来年の私の目には至らなさが見えていることでしょう。

 

が、その時点でできることをやり切ることでしか、その先の成長はありません。技術的にも、人として心を磨くうえでも。
その時その時の“精いっぱい”を込めて、その後も『生殖の海』を2021年版、22年版、とアップデートし続けています。

 

少なくとも2020年版からはかなり変化していますし、20年版よりうんと理想形、“及ばぬ高き姿“に近い2022年版です。
無料や有料の2020年版をお読みになり「梶間和歌とはこの程度のものか」と思われた方にも、ぜひ22年版や23年版をご覧いただきたい。

2022年の私の“心のまゝに詞のにほひゆ”くに任せた結果はこのとおり。
これ以上のアップデートは、この先、その都度お楽しみいただけましたら、大変幸いです。

 

 

 

※有料部分のスクショはご遠慮ください※

※有料で本を出版した場合を基準に考えれば、一部の作品の紹介や引用はむしろ歓迎すべきか思います。有料部分の全作品の引用・・・・・・などは、良識の範囲でお考えのうえ、ご遠慮いただけたらと※

 

 

 

梶間和歌歌集『生殖の海』 2022年版

序章 にほふマルボロ
第一章 いまも言ふ
第二章 母として行く道
第三章 風のライヲングラス
第四章 明けぬ夜の闇
第五章 目を開けて
第六章 及ばぬ高きすがた
第七章 いのちひとつぶん
第八章 水底みなそこの死
第九章 母となること
第十章 我が暴れ川
終章 ひかりを添へて

 

出典

 

2022年版にはあとがきを用意しておりません。
2020年版のあとがきを無料公開しておりますので、そちらをご覧ください。

 

 

続きはnoteをご覧ください。

 

 

いつも応援、

また金銭的なご支援も

本当にありがとうございます。

 

金銭面の懸念された引っ越しも

なんとか終え2年弱、

アパートの更新を10月に控え

金銭的な不安もありますが、

おかげさまで現状

無事生活できております。

 

 

見守ってくださるすべての方に

感謝しつつ、

 

貴重なお金を使ってご寄付、

誕生日祝いや引っ越し祝いを

下さいました方々、

お仕事やご寄付を

定期的に下さいます方に

特に厚く御礼申し上げます。

 

 

今後とも

それぞれの及ばぬ高き姿を

それぞれの役割とペースで

追ってゆきましょうね。

 

私は和歌において、

あなたはあなたの領分で。

 

 

梶間和歌にいっそう和歌仕事に

集中させるべく、引き続き

応援よろしくお願いいたします。

 

 

 

それでは、またね。

 

 

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