歌集『生殖の海』第9章誕生秘話【前編】 | わたる風よりにほふマルボロ

わたる風よりにほふマルボロ

美しい和歌に触れていただきたく。

*:..。o○ ○o。..:*

梶間和歌プロフィール小説

 

new梶間和歌YouTubeチャンネルnew

 

new第零歌集『生殖の海』

ご購入はこちらnew


new歌をやり取りする

facebookグループnew

*:..。o○ ○o。..:*

 

 

「心の花」2020年6月号掲載分

(3月提出分)詠草

 

梶間和歌

 

 

 

チェック腹まろき猫を抱(だ)き泣くをんなあり頁を閉ぢて息ふかく吐く

 

チェック子の話をするあなたの横顔をどんな気持ちで見てゐたつけな

 

若草の妻のあらずて切り髪の子はありあけの月ほのかなり

 

母となること思ひ寝の夢を断てそよやあたしはこの道を行く

 

母となることを思へばやすらはれあなたの右手(めで)は肩を抱(だ)かない

 

チェック行くすゑを吹きわたれ風ひとの子に母と呼ばする幸ひもあり

 

チェックあの猫は産んだゞらうか草原(くさはら)にひばり鳴きなく春の夕暮れ

 

チェック花の香も風にまかするかよひ路に母とはならぬ日を重ねたり

 

 

チェックのあるものが掲載されました)


 

語釈などの解説は

昨日の記事をお読みくださいね。

 

 

 

歌集『生殖の海』

ご覧になった方には

馴染みのある連作であるはず。

 

 

昨年7月末に完成させた

300首の歌稿に

11月ごろからまた直しを入れ、

どんどん削っていった結果、

 

歌集に入れる予定の300首を

大幅に下回る歌数になった

タイミングがありました。

 

 

「あと1、2章入れられる! 」

と気づいてしまった、あれは

今年の3月半ばだったと思います。

 

 

ちなみに歌集原稿の締め切りは

翌4月半ばです。

 

そこから2章新たに入れるとは、

まあ、無茶をしたものよ……。

 

 

 

しかし、そんな無茶でも

思いついてしまったら

十中八九行動に移すのが

梶間和歌ですね。

 

 

この「腹まろき」の8首詠をまず詠み、

 

「心の花」誌の2017年11月号

に掲載された8首詠のうちの

1首

 

我が胎は痛めで母となることを思ふ夕べの風吹きわたる

 

を加え、また新たに1首詠み足し、

 

10首の連作として形を整え

第9章として

歌集に入れる運びとなりました。

 

 

ですので、歌集では

1首取り出した「我が胎は」も

8首連作のほうも

歌の形が変わっております。

 

 

 

歌集『生殖の海』は、一章ごとに

作中主体が変わります。

 

また時代も、現代と古典の世界を

行き来する構成。

 

 

しかし、一貫するテーマは

タイトルどおり“生殖の海”。

 

 

こういう構成ですので、

短編小説集のようなおもむきに

なることは必然でした。

 

 

 

友人であり

今回表紙の絵をお願いした

長澤真緒理ちゃんに、

 

歌集イメージを固めてもらうため、

完成前に2度

歌稿を見てもらいました。

 

 

初回は、追加の2章が

まだ入っていたなかったもの、

 

2回目は第9章を含む2章が

入ったあとのものです。

 

 

 

2度目のものを見た彼女からも、

 

……

 

やはり、長いなあ笑

続きは明日にします笑

 

 

【昨日の記事】

【この記事の後編】

 

 

*:..。o○ ○o。..:*

 

第零歌集のご購入はこちらから。

 

YouTubeチャンネル

 

梶間和歌の評論の掲載された

『短歌往来』2020年4月号はこちら

 

「現代短歌社賞」応募作8首抄

掲載された

『現代短歌』1月号はこちら

 

和歌・短歌みくじとして遊べる

LINE公式アカウント・*:.。

友だち追加

 

執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。

キラキラ(執筆関係)

キラキラ(講義関係)