式子内親王 ふくるまで | わたる風よりにほふマルボロ

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題しらず

 

ふくるまでながむればこそ悲しけれ思ひもいれじ秋の夜の月

式子内親王
新古今和歌集秋上417

 



【口語訳】

夜が更けるまで眺めるからこそ

悲しくもなるのだ。

深く思い詰めて秋の夜の月を

眺め続けることは、そうして

秋の夜の月に振り回されることは、

もうすまい。

(訳:梶間和歌)

 
【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

今よりは更けゆくまでに月は見じそのこととなく涙落ちけり

藤原清輔 千載和歌集雑上994

 

ながむればこそ悲しけれ:

 眺めるからこそ悲しいのだ。

 「ながむ」には

 ただ眺める意味だけでなく

 もの思いをしてぼんやりする

 ニュアンスが加わる。

 「悲しけれ」は「悲し」の已然形。

 

思ひもいれじ:「思ひ入る」は

 深く思い込む、思い詰める、の意。

 

 

 

月はもの思いをさせるから

もう待つまい、見まい、という歌は

古典和歌に多いですね。

 

現代の恋愛でも、相手が好きで、

気持ちが振り回されるからこそ

憎らしい、

と思うような状況はあるわけで。

 

可愛さ余って憎さ百倍

などとも言いますし。

 

 

『新古今集』では、昨日ご紹介した

式子内親王「宵の間に」

次に配列されています。

 

 

ふくるまでながむればこそ悲しけれ思ひもいれじ秋の夜の月

 

 

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