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題しらず
夏あさき緑の木立庭とほみ雨ふりしむる日ぐらしの宿
京極為兼
風雅和歌集夏300
緑もまばゆく輝く木立の庭が
普段よりいくらか遠く見えて、
しめやかに雨の降る一日中
家で過ごしているよ。
我が心も深く奪われて。
(訳:梶間和歌)
【本歌、参考歌、本説、語釈】
庭とほみ:庭が遠いので。
雨ふりしむる……宿:
雨のしめやかに降る……宿。
「深く感じさせる」意の
「染む(る)」も掛けるか。
日ぐらし:一日中
宿:家。「庭」の意味もあるが、
歌のなかで
その意味のかぶる不自然を考え
「家」と訳した。
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美しく退廃的な景色を
ぼんやり眺めて
長い時間を過ごす贅沢。
夏あさき緑の木立庭とほみ雨ふりしむる日ぐらしの宿
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