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第7回「現代短歌社賞」
選考結果の載った
『現代短歌』2020年1月号に、
梶間の8首抄が掲載されました。
「梶間和歌の歌の載っている1月号を」
と言い添えてご購入いただけますと
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歳暮に人に遣はしける
おのづからいはぬを慕ふ人やあるとやすらふ程に年の暮れぬる
西行
新古今和歌集冬691
もしかすると、言葉を掛けないことを
かえって好ましく慕ってくれる人も
いるかな、と思って
「訪ねていらっしゃい」
「どうしていますか」などと言うことを
ためらっているうちに、
年が暮れてしまったな。
(訳:梶間和歌)
【本歌、参考歌、本説、語釈】
おのづから:ここでは
「もしかして、ひょっとして」の意。
いはぬ:言わないこと
人やある:人がいるか
やすらふ程に:ためらうあいだに、
ためらっていると
年の暮れぬる:
年が暮れてしまった。
主語を表す格助詞「の」は
述語を連体形で受ける。
『新古今集』「冬」部入集歌ですが、
こちらは題詠ではなく。
友人に贈った歌ということで。
西行らしいですね。
でも、こういう事
現代でもありますよね。
恋愛の駆け引きなんて
こんなふうじゃないですか。
「会いたい」と
こちらから言わないほうが
かえって会いたい、かわいいと
思われるかな、
でも会いたい気持ちの
やりどころが……、
言わないと
誘ってくれないかもしれない、
でもこのあいだ私から誘ったから
次は彼に誘ってほしい、
何度も言うとがっついてると
思われちゃうかな、
とためらっているあいだに
相手に彼女が出来ました、
のような。
残念ながら私は
駆け引きとか嘘とか小悪魔テクとか
無理な性格なので、
こういうかわいらしさは
持ち合わせておりません。
「いついつ会えませんか?
用があって近くに行くんです」
「明日30分だけ会えませんか?
なんだか会いたくなっちゃいました」
とストレートに誘ってしまうほうの
かわいらしさを持ち合わせております。
あ、自分で言ったわ。
それでは皆さま、良いお年を。
私は3年ぶりになりますかしら、
しばらくぶりの喪中でない新年です。
おのづからいはぬを慕ふ人やあるとやすらふ程に年の暮れぬる