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夕顔をよめる
白露のなさけ置きけることの葉やほのぼの見えし夕顔の花
藤原頼実
新古今和歌集夏276
【口語訳】
「光そへたる夕がほの花」と
詠み掛けられた光源氏が
夕顔の君に情けを掛けて置いた言の葉よ。
ほのぼのみつるはなの夕がほ……
いや、
ほのかに見えた花、
素性の誰とも分からぬ君、夕顔の君よ。
(訳:梶間和歌)
本歌:よりてこそそれかともみめたそがれにほのぼのみつるはなの夕がほ
『源氏物語』「夕顔」巻 光源氏
直前に夕顔の君に
「心あてにそれかとぞみる白露の光そへたる夕がほの花」
と詠み掛けられたのに対する返歌。
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