藤原為家 ふる雪の | わたる風よりにほふマルボロ

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new第7回「現代短歌社賞」

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『現代短歌』2020年1月号に、

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「梶間和歌の歌の載っている1月号を」

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とても有難いです。

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new1月26日、プチ講義をしますnew

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雪の歌の中に

 

ふる雪の雨になりゆくした消えに音こそまされ軒の玉水

 

藤原為家

玉葉和歌集冬986

 

 

 

【口語訳】

 

降る雪が次第に雨に変わるにつれ、

積もった雪も

下のほうから解け始めた。

雪景色のころは凍っていた

軒の雪やつららもそうなのか、

軒から滴る玉のような雨だれの音も

いっそう大きくなっていって。

とはいえ、音こそまされど

春の気配は

まだ気配だけなのだけど。

 

(訳:梶間和歌)

 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

した消え:下消え。積もった雪の

 下のほうが解けてゆくこと。

 

音こそまされ:「ほかはともあれ、

 音こそはまさっているのだ」

 という強調と取るか

 「音こそまされど、ほかには

 春の気配は見当たらない」

 という強調逆説確定条件と取るかで

 少しニュアンスが変わるが、

 「軒からしたたる水の音はまさる」

 「春の気配はほかにはない」

 という2点を抑えておけばよい。

 

軒の玉水:雨だれの美称

 

 

 

視点の移ろいも音の移ろいも

美しいですね。

 

 

四句切れと考えてよいかな。

 

四句切れはなかなか難しいもので、

それを破綻も違和感もなく採用する

為家、さすがですね。

 

 

「ふる雪」の「ふる」に

もしかすると「古」が掛かるかな、

とも考えたのですが。

 

これが春歌の入集であれば

そうだったでしょうね。

 

冬歌なので、それは考えすぎかな。

どうでしょう。

 

 

ふる雪の雨になりゆくした消えに音こそまされ軒の玉水

 

 

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「現代短歌社賞」応募作8首詠の

掲載された

『現代短歌』1月号はこちら

「梶間和歌の歌の載っている……」

の一言もぜひお願いします^^

 

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