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題しらず
逢ふまでの命もがなと思ひしはくやしかりけるわが心かな
西行
新古今和歌集恋三、1155
ただ一度抱き合うまでは
生きていたい、と願った我が命。
それもこれも
なんと浅はかだったことか。
悔やまれてならないよ、
何も知らなかったころの我が心が。
そう……夢にまで見たあなたを
この腕に抱き
あなたの体を知ってしまい、
狂おしさやまことの恋しさを
初めて味わったことで。
恋しいと思っていた
少し前の私の気持ちは
恋しさでもなんでもなかったのだ。
こんな気持ちを知る前に
あなたの体を知る前に
死んでいたほうが
幸いだったのかもしれない。
(訳:梶間和歌)
【本歌、参考歌、本説、語釈】
あひ見てののちの心にくらぶれば昔はものも思はざりけり
藤原敦忠 拾遺和歌集恋二、710
昨日まで逢ふにしかへばと思ひしを今日は命の惜しくもあるかな
藤原頼忠 新古今和歌集恋三、1152
忘れじの行末まではかたければ今日をかぎりの命ともがな
儀同三司母 新古今和歌集恋三、1149
逢ふまでの命もがな:
あの人とひと晩過ごすまでは
生きながらえていたい、
生きながらえる命であってほしい。
くやしかりけるわが心:
考えてみれば、
悔やまれてならない
我が心だったのだ。
「けり(ける)」は気づきの助動詞で、
「考えてみれば」「気づいてみれば」
などのニュアンスを表す。
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本歌、参考歌それぞれと
読み比べてみると、また
おもむきの違いが
おもしろいですね。
逢ふまでの命もがなと思ひしはくやしかりけるわが心かな
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