式子内親王 さむしろの | わたる風よりにほふマルボロ

わたる風よりにほふマルボロ

美しい和歌に触れていただきたく。

*:..。o○ ○o。..:*

newプロフィール小説リリースnew

 

LINE@メール

おみくじ、占い感覚でどうぞキラキラ

 

new第7回「現代短歌社賞」

選考結果の載った

『現代短歌』2020年1月号に、

梶間の8首抄が掲載されました。 

「梶間和歌の歌の載っている1月号を」

と言い添えてご購入いただけますと

とても有難いです。

ご購入はこちらから。new

*:..。o○ ○o。..:*



百首歌に

さむしろの夜半のころも手さえさえて初雪しろし岡のべの松

式子内親王
新古今和歌集冬662


 
 
【口語訳】

さむしろに横たわっていると
夜半の袖は
すっかり冷たくなってしまい、
今朝ふと見ると
初雪が白く積もっているのに気づいた、
岡の傍の松に。

(訳:梶間和歌) 



【本歌、参考歌、本説、語釈】

さむしろに衣かたしき今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫
詠み人知らず 古今和歌集恋四、689

衣手に余呉の浦風さえさえてこだかみ山に雪ふりにけり
源頼綱 金葉和歌集冬278

策策窗戸前 又聞新雪下
白氏文集巻六 冬夜 白居易

さむしろ:狭筵。むしろのこと。
 「さ」は語調を整えるための接頭辞。
 「寒し」を掛け、冬の歌に用いられる。

ころも手:袖

さえさえて:冷え切って

岡のべ:岡の傍、岡のあたり




正治二年(1200年)後鳥羽院主催
「正治初度百首」「冬」部の歌。

この百首歌をまとめた半年後に
式子は亡くなるので、
病の床で仕上げた絶筆と呼んでも
差し支えのない百首歌かと。


「白」という語は、和歌では従来
「白雪」「白露」など
名詞を形容するような形で
複合語を成して用いられてきました。

「白し」という形容詞や
その活用形として用いられることは
ほとんどなく。

その禁を積極的に破ったのが
約百年後に生まれる京極派ですが、

鎌倉時代初期にも
こういう挑戦をした人がいたのですね。


上の句は触覚、
下の句は視覚、と転じることで
さりげなく時間の推移を表すのも、
なるほど、と。


さむしろの夜半のころも手さえさえて初雪しろし岡のべの松


*:..。o○ ○o。..:*


「現代短歌社賞」応募作8首詠の

掲載された

『現代短歌』1月号はこちら

「梶間和歌の歌の載っている……」

の一言もぜひお願いします^^

 

和歌・短歌みくじとして遊べる

LINE公式アカウント(旧LINE@)・*:.。

友だち追加


 

執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。

キラキラ(執筆関係)

キラキラ(講義関係)