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寄風恋
聞くやいかにうはの空なる風だにもまつに音する習(ならひ)ありとは
宮内卿
新古今和歌集恋三、1199
どう聞いているのですか?
上の空、空の高いところを
吹き通う浮気な風も、
みずからを待つ松には
音を立て、訪れるのが
世の常だということですが、
浮気で上の空のあなたは
待つ者を訪れないご自身を
どう考えているのでしょうね。
(訳:梶間和歌)
【本歌、参考歌、本説、語釈】
うはの空なる風:「上空を吹く風」に
「上の空なる」を掛け、
浮気で落ち着かない男の態度を
表す。
だにも:さえも
まつ:「松」と「待つ」を掛ける。
音する:「音を立てる」と
「訪れる」を掛ける。
習:世の定め
建仁二年(1202年)九月十三日、
後鳥羽院主催の
水無瀬殿恋十五首歌合に
出された詠。
儒教的価値観の濃厚な
近世(江戸時代)には、
初句「聞くやいかに」に対して
例えば契沖の言葉で
女の歌にはことにいかにぞや
という、
歌を作者から切り離して
鑑賞する作法を理解していない
注がありますが。
新古今時代ですもの。
初句切れの鋭さこそが
この歌の評価の要だったでしょう。
深窓の姫君ならまだしも、
宮内卿は歌を専門とするとはいえ
後鳥羽院女房ですし。
才気にあふれた感じが
女性の魅力と捉えられた時代に
評価された女の歌を
のちの時代の
輸入された価値観に基づき
「これは良い、これはいかがか」
と裁くのは、
ずいぶんと、まあ……
ズレた事と言うべきでしょう。
聞くやいかにうはの空なる風だにもまつに音する習ありとは
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